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180話 眠る者達 ページ35

銃兎の案内で森の中を進むと開けた場所に着いた。そこはヨコハマの夜景が一望できる所だった


「銃兎、ここは……」

「もしかしたらAが夢で見た所だろうな」

「やはり昔の記憶だったのか…?」

「かもしれない。それで見てもらいたいモノがこれなんだが……」


銃兎はあるモノの近くに歩み寄りしゃがみ込む。それは地面に刺された木製の十字架だった
そしてそれが刺さっている地面は他と比べ、土色が違い何者かが何かを埋めた様に推測できる


「墓……なのか?」

「死体が見つからない理由はこれなのかもしれない」

「埋葬したという事か……」

「少し心が痛いが掘り起こしてみる」


そう言って銃兎は赤い手袋を着けたまま手で土を掘り始めた。
その表情は眉間に深い皺を作り歯を食いしばっている。ここに眠る者に罪悪感を感じているのだろう
小官も心の中で非礼を詫び、銃兎と共に土を掘り始めた









一心不乱に掘っていたのでどのくらい時間が経ったか分からないが随分深くまで掘り進めた。だが中身は一向に出てこない


「まだ出てこないのかよ……ッ」

「簡単に掘り起こして欲しくないのだろう」

「にしても深すぎるぞ…ッ」


滲み出る汗を汚れた手で拭い、再び手を土に差し込むと土や石とは違う硬い物が指に当たった


「銃兎…どうやら近いようだ」

「っ…!そうか」


一気に掘り進めると段々と埋められていたモノが姿を現した
――それは人間の骨だった。それも1人分ではなく無数の

予想はしていたが、いざ目の前にすると心臓が握り潰される様な不快感が襲う。銃兎も言葉には出さないが苦虫を噛み潰した様な表情をしているので同じ感覚がしているのだろう


「あの施設に何があったんだよ……」

「戻ろう。そこに何かあるはずだ」

「そうだな」


小官達は眠る者達をもう一度埋め直し手を合わせ心の中で謝罪した。そして左馬刻の待つ所へ向かった









「あぁ゛!理鶯の野郎いい加減電話に出ろやッ!!」


不審者を見つけたって言った瞬間一方的に切りやがって……
何が起こってんだよ!!
何回電話しても繋がんねぇし!ンだよ電波の届かない所にいるって、あの野郎何処に行ってんだよォ!!

怒りに任せて壁を蹴ると、脆かった部分は音と共に破片を撒き散らした。もう1発だと片足を上げると扉が開いた


「左馬刻すまない。不審者を逃がしてしまった」


理鶯と銃兎だったが何故か所々土で汚れている。やっと来たかと舌打ちをしながら上げた足を下ろした

181話 ジャミング→←179話 それはあまりにも……



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刹那(プロフ) - 戦国娘さん» 戦国娘さん読んでいただきありがとうございます!題名に惹かれたなんて嬉しい言葉感激です!頑張って考えた甲斐があります!!次の章は全力制作中なので50話が溜まり次第更新します!! (2021年3月17日 8時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 題名に惹かれて全話読破しました!もう次の更新が楽しみすぎますo(><;)(;><)o次話の更新楽しみしてます(*^^*) (2021年3月17日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月2日 12時

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