176話 異彩を放つ本 ページ31
――左馬刻の指示の元、廉貞は探索をし例の箱と鍵を見つけ安全である事も確認出来たので後日この場所まで案内する事となった
そして今日MTCの3人を案内し、己の役目を終えた
誓った為、詮索はしないがやはり不安に駆られる。だが最近の左馬刻は優しい笑みを浮かべる事が増えてきているので、道から外れた事では無いと確信し山から抜け出す
スマホを取り出し妹に電話をかけると、今夜は豪華に外食でもしようと話をしながら妹の待つ自宅に向かうのであった
・
｢ったく……なんつー生臭ェんだよ……この中を探索させといてあの額は足んねぇわ｣
侵入した3人は、薄暗い中辺りを見渡しながら奥へ奥へと足を進める。廉貞の言う通り血痕が至る所にあり、この状態で放置された為か鉄の臭いと腐敗臭が漂い、思わず3人は顔を歪ませた
｢強烈だなこれは……｣
｢だが死体は見つからない……不自然だ｣
｢引きずった跡もねぇしな｣
大量殺人でもあったかの様な量の血痕だが、死体は1つも無くより不気味さを感じた
暫く進むととある部屋の扉に辿り着く
それはまるで金庫の様な頑丈な扉。いかにも重要な物が入っていた様だ。鍵は空いており重い扉を引けば簡単に動いた
左馬刻は目配せをし2人が頷くのを確認するとゆっくり開けた
――その部屋は今まで通ってきた廃墟の雰囲気とは全く異なり、多少埃で汚れているがどこか清潔感を感じる白い部屋
その部屋には病院で見かける様な点滴や心電図等の機械が沢山あり、壁際にはギッシリと本が仕舞われた本棚があった
左馬刻がその本棚を調べると何かに気づき1冊の本を取り出し埃を手で払う
何か見つけたのかと他の2人は後ろから覗き込む。その本には“やくざのひみつ”と一見小学生が読みそうなポップな見た目だが、タイトルが子供に悪影響しか与えない異彩を放つ表紙が描かれていた
銃兎は何だこれと怪訝そうに眉を顰めるが、理鶯は｢左馬刻、その本は…｣と心当たりがある様で左馬刻に説明を乞う様に呟いた
｢Aが見てた本だ｣
｢なんつーモンをAは見てたんだよ……｣
｢まさか実際にあるとはな｣
これでこの廃墟はAがいた所だという事が証明された
この広さで集団行動は時間がかかると判断した3人は、危険を承知で別行動に移る事にした
何があるか分からない、だが手がかりは必ずある。3人は無事に帰るぞと拳を合わせた後、背中を向け暗闇の中へ進んだ
177話 別行動での探索→←175話 この身を犠牲にしても守りたい
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刹那(プロフ) - 戦国娘さん» 戦国娘さん読んでいただきありがとうございます！題名に惹かれたなんて嬉しい言葉感激です！頑張って考えた甲斐があります！！次の章は全力制作中なので50話が溜まり次第更新します！！ (2021年3月17日 8時) (
レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 題名に惹かれて全話読破しました！もう次の更新が楽しみすぎますo(><;)(;><)o次話の更新楽しみしてます(*^^*) (2021年3月17日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2021年3月2日 12時
