文学教師 (ページ4)

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自習は講義室でページ4

Aside

A「お疲れ様、部活頑張って。」
友達1「ありがとう！Aも勉強頑張って！」
友達2「じゃあねA！」

放課後、友達が部活へ向かうのを見届けてから、私は誰もいない講義室のドアを開けた。
使っていいのか分からない部屋だが、図書室に比べて人はいないし飲食も可能なので勉強がはかどるのだ。

A「よし。とりあえず来週提出の国語系を先に片すか。」

こうやって1人で話していても問題ない。
ドアを閉めて入り口の死角にいれば誰にも気づかれることなく勉強出来る。

そう思った時だった。

新「えっ、Aさん、、？」

聞き覚えのある声。
驚いて出口を振り返ると、そこにはパソコンを抱えた新先生がいた。
部屋を使っていることがバレてしまった焦りと何故ここに彼が来たのかという疑問で頭が上手く働かない。
冷静さを失っている私を見て新先生が口を開いた。

新「勉強してたんだね。俺さっき許可もらったから講義室で資料作成しようと思ってたんだけど、使ってもいい？」
A「ですよねっ、すみません勝手に使っちゃって。すぐ避けますからっ」

先生が怒らないでくれただけ感謝だ。
早く片付けて避けよう。

私が急いで物を鞄の中へしまっていると、不意に手を掴まれた。

新「別に使っててもいいよ。ここの方が集中出来るんでしょ？」

嘘でしょ先生。
講義室で2人きりとか無理だよ。

と頭では思っているものの、本能に負けたのか気がつけば私は二つ返事で了承していた。

ずっと会いたかった新先生が、自分の目の前で仕事をしている。そう思うと自然と鼓動が早まった。
鞄に押し込んだ国語のワークをもう一度広げる。
私は静かに目を閉じた。

今日の勉強は集中出来ないだろう。