藤北がBL映画に出演する話。

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「遂に始まるな！」

北山が朝食を食べながら笑顔で言った。

「そうだね。最終回から1年経ったからね。」

「スタッフさんもまた集まってくれるし、心強いよな。あ、でも…」

「ん？」

北山が言葉を濁したので、気になった俺は聞き返した。

「新海さん。今回も俺たちを撮ってくれるって。」

「その事気にしてたのか。」

「だってさ、」

北山が妬いている。
彼には辛い気持ちをさせるけれど、正直、嬉しい。

「俺が好きなのは北山だよ。でも、不安にさせてごめんね？」

「藤ヶ谷、ごめんって言ってるわりには顔がニヤけてるぞ。」

つい、嬉しさが顔に出てしまっていたようだ。

「そんな事ないって。」

俺は北山の目を見つめた。

「大好き。北山だけが好き。」

「もうわかったから/」

「うん。そろそろマネージャー来るね。」

「だな。」

今日はポスター撮影がある。
明日の朝には、映画『協和音』の情報が初解禁される予定だ。

脚本は十分読み込んだ。
俺は今から翔を演じることが楽しみで仕方がない。

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