真夜中に咲く薔薇【藤北夢小説】 (ページ31)

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2度目の夜 3 ページ31

｢本当にありがとう。｣

アルコールも入って、腹も満たされたのか満足そうな顔を浮かべながら言った。

｢俺で役に立てたなら良かった。｣

俺も微笑みながら答えた。
それにしても、彼は酒に強い。
酔う気配が全くない。
ならこないだのは？
酔って色っぽい視線を俺に向けた彼の顔を思い出しながら、俺は項垂れた。
血を口にするんじゃなかった…
あの夜から彼の血の味が忘れられない。
今日もお預けかよ…

｢はぁ…｣

｢どうかした？｣

俺は無意識にため息をついていたらしい。
彼は心配そうに俺の顔を覗き込んだ。

だから、そんなに近づいてくるなよ。
これだから無意識な人間は困る。

俺は理性を抑えながらできるだけ冷静に言った。

｢少し酔ったかな。そろそろ出ようか？｣

｢そうだな、腹も膨れたし。｣

彼は店員を呼んだ。

｢俺も払うよ。｣

｢今日は俺が。じゃないとお礼にならないでしょ？｣

彼は俺が財布を出そうとするのを制止して、会計を素早くその場で済ませた。