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甘いものはお好き? 4 ページ25

「藤ヶ谷さん、入られます。」

その声を聞いた彼が驚いた表情を浮かべて俺の方を見ていた。

「よろしくお願いします。」

俺は撮影スタッフの方々に頭を下げながら挨拶し、さっきから俺の方をじっとみている彼の元へと急いだ。

「驚いた?」

俺は微笑みながら彼の耳元で囁いた。

「うん…」

急に大人しくなった彼が妙に可愛くて愛おしくて。

「それよりも藤ヶ谷くん、今日のテーマ知ってる?」

彼は不安そうな表情を浮かべながら俺に尋ねた。

「知ってるよ。ハロウィンの企画でヴァンパイアだろ?それで俺が北山くんの相手役。どっちが血吸う役なんだろ?」

「俺。」

俺の質問に彼は即答した。
まさか、ふりだとしても獲物に血を吸われるのか。ここまで来ると笑えてくるな。

「俺が吸う方でも良かったんだけどな。」

俺が冗談っぽく彼に言うと、彼の気持ちも和んだのか俺の知ってる笑顔を浮かべた。

「それもいいかも。カメラマンさんに言ってみるわ。」

彼は本当にカメラマンさんに提案しに行ってしまった。

まじか…

俺の理性、保ってくれよ。
ただ、それを願うのみ。

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作者名:ルナ | 作成日時:2020年3月25日 1時

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