真夜中に咲く薔薇【藤北夢小説】 (ページ13)

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目覚めの朝 3 ページ13

彼がシャワーを浴びてる間に俺は簡単な朝食を作る。あまり体調の良くなさそうな彼には味噌汁。あと、塩鮭を焼く。
朝食の準備が一通りできた頃、彼は風呂からタオルで髪の毛を拭きながら出てきた。

男同士だから気にしないんだろうな。
俺が貸したスウェットのズボンだけ履いて、上半身は裸の君。

俺の使っているシャンプーで髪を洗ったせいか、自分と同じ香りを漂わせている。
だが、いくらシャワーで洗い流してもその血の甘い香りまでは消せない。

やばっ…くらくらする……

俺は血への欲求を必死に抑える。

｢北山くん、少し食べれそう？｣

｢え、これ藤ヶ谷くんが作ったのか？まじで美味そう。｣

俺の作った朝食を見た彼は笑顔を浮かべる。

｢北山くん、良かったら一緒に食べよ。着替えてきて。｣

｢なんかさ、このやり取りカップルみたいだな。｣

｢この際、俺の彼女になる？｣

俺は冗談ぽく彼に言った。

｢それを言うなら彼氏だろ。｣

俺に彼女と言われた彼はすかさず反論する。

｢いや、北山くん可愛いから俺が彼氏。｣

｢ってさ、俺の方が年上よ？可愛いって｣

彼はそう言いながらも笑っている。
俺らは他愛もないことを話しながら向かい合って朝食を食べ始めた。