今日から俺はこの子を嫁にする。

大粒の涙！！ ページ48

三｢こいつはドクターストップだ｣

伊｢勝手なこと抜かしてんじゃねぇぞ三橋っ！｣


三橋が止め(殴り)に入り、Aもそれに加わったことにより一方的な暴力行為は終わった。
しかし、伊藤は悔しそうにAの腕の中で悲痛な叫びを上げた。

その声は一番近くにいたAの耳に直接響いて、脳の奥が痺れる様だった。

『真司くん…っ、例え悔しくても…こんな時くらい、仲間に頼ってよ…お願いだからっ！』

Aは無我夢中でそう言うと抑えていた涙がいっきに溢れていた。

その大粒の涙が、伊藤の頬に落ちた。
流れた血と一緒に、その涙は伊藤の顔の汚れをも洗い流した。

伊｢A…？泣い、て…？｣

これには伊藤も驚きを隠せず、血で視界が見えない彼は彷徨うようにAの頬を手探りで探す。

三｢そうだぞ。Aちゃんも、目の見えてねぇやつはさっさと病院行ってこいって言ってんだろ｣

『え、言ってない…けど行った方が良いよもちろん！！』

谷川に不貞腐れたように(残念そうに)着いていく伊藤と未だ倒れている今井(そう"未だに"倒れてます)。

Aも遣る瀬無い気持ちに駆られてしまっている。

両者審判とお話して場内に入る…筈が、三橋は何故かキリッとした顔で当然のようにAの前に居座り直している。


三｢Aちゃん？約束通り。｣

『ん？や、約束…？』

今や今井に続いて、伊藤が深手を負う事件に直面して頭が混乱しているAは全く意味がわからないようだ。

三｢えぇーっ！俺も今から頑張るのにそれは無いよー？！｣

理｢Aちゃん、頭よ。撫でてあげるって言ってたじゃない…！｣

『ぁ、あぁ！』

そういう事か！と、理解したAはやはり恥ずかしいのか、恐る恐る三橋の金髪へ手を伸ばし優しく撫でた。

『貴志くん、彼奴等コテンパンにやっつけちゃえ！』

三｢フッ…ん、任せてよ。｣

Aの柄にもないセリフと明るい笑顔に思わず笑っう三橋。可愛がるようにAの頬を軽く啄くと、場内に入って行った。
しかし、三橋のそんな様はAには新鮮で、少しばかり刺激が強すぎたようです。

『り、理子ちゃん…今の貴志くん、何か、かっこいーね…？』

そう言ってAは俯いて、真っ赤になっているであろう顔を必死に隠しながら膝の上に手を置いてギュッとスカートを握りしめていた。

理｢…Aってば可愛いわねっ…？｣

『んんんーっ理子の方が可愛いもん！結婚する？！』

理「喜んで♡」

艶めいた表情でAを見る理子に胸がときめいて、色々な感情がAを混乱させた。

小さな恋心！！→←反撃開始！！

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