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目の前の女の子が、淡く発光ながら消えていく。
「A!?なんで__」
「ごめんね善逸。私、もう消えてしまうわ」
彼女の手が俺の頬を包む。
嫌だ、嫌だ嫌だ。
ついさっき、傍にいるって言ったばかりじゃないか………
「私、ずっと自分のことを妖だと思っていたんだけど、違ったみたい」
言葉を紡ぐことすら出来ない俺に、君が静かに語りかける。
自分の瞳から落ちた涙が、Aちゃんの頬を跳ねた。
「善逸、ありがとう。私と出会ってくれてありがとう」
「俺もありがとうだよ!!だからいかないでくれよぉ!!」
彼女の手をギュッと握りしめる。
指先の温もりが無くなっていく。
「今度は人間の女の子のこと好きになってね」
「俺、まだAちゃんに好きっていってないじゃん、なんでわかったのさぁ!!」
「わかるよ、流石に」
クスッと笑みを零すAは、もう首の辺りまでが透けてきていた。
俺は、ずっと君が大好きなのに。
出会ったのはつい最近で、一緒に過ごした時間もお世辞にも多いとは言えなくて。
でも、そんなこと関係ないくらいに君を好きなのに。
ずっと一緒にいるって、誓ったのに。
「私、ずっと見守っているから。ずっとキミを見ているから」
目の前の君は、待ってはくれない。
「だから絶対、幸せになってね」
「Aちゃん!!」
彼女の着物だけが、腕の中に残った。
君の温もりを感じて、余計に涙が止まらなくなっていく。
「俺、もう幸せだったのになぁ」
君のいない世界で、あれ以上は幸せになれないよ、Aちゃん______
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名無し94249号(プロフ) - パスワード教えてくださいませんか? (2019年12月27日 17時) (レス) id: 8a59bf4e66 (このIDを非表示/違反報告)
名無し94249号(プロフ) - パスワード教えてくださいませんか? (2019年12月27日 17時) (レス) id: 8a59bf4e66 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 新作も見ました。とても良い作品でした! (2019年11月30日 18時) (レス) id: 345ee1e063 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 鬼の女の子とは...ねずこちゃんですね! (2019年11月24日 18時) (レス) id: eb6c59978d (このIDを非表示/違反報告)
ななつき(プロフ) - この話好き。消さないで欲しい。また新作楽しみにしてる (2019年11月16日 1時) (レス) id: 9b592ae29e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年11月5日 18時