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鬼を連れ上昇していく第7の大隊長に狙いを定め、弓を引き絞る。
そして、矢は直線を描き標的に向かって飛んでいく。
「捉えた」
『何を捉えたんだ?』
闇夜から殺気が突然背後に現れる。
噎せ返る死臭に、咄嗟に矢を放つ。
しかし、容易く掌で受け止める女が。
私の矢だぞ…
顔色1つ変えず、炎を握りつぶす。
『何かしたのか?』
涼しい顔で、見下ろす女
身の毛もよだつ殺意が、アローを襲う。
ヤバい
直感的に感じ、後ろに退く。
が、同じ歩幅で距離をつめられる。
逃げるどころか、いつの間にか追い越され
腹部に痛覚を覚えるより先に、アローは片膝をつく。
湯気が上がる身体に、吐き出す息に血が混じる。
そして、血肉の焼ける匂いが嗅覚を占領する。
「貴様、何をした…⁉」
『何て、お前の体温や筋肉が収縮するの熱に干渉して
内臓をいくつか焼いただけさ。
内臓を焼かれるのは初めてか?』
そう言って、嘲る女。
今度はﾌﾞｯﾁと何かが潰れる音がする。
また、血が瓦を汚す。
『ほら、お上品にお辞儀してみせろ』
女は指を弾けば、アローは立ち上がる。
そして、両手でマントの裾をつまみ、腰を曲げて頭を深々と下げる。
いわゆる、カーテシーだ。
屈辱的だと感じるが
身体が意志とは関係なく勝手に動く。
今度は首に自分の手が掛かる。
そして、ゆっくりと気管を絞めていく。
酸素を求めアローが喘ぐ。
新鮮な酸素を欲する肺が萎んだのを見逃さないと
絞めつける力が強くなる。
意識が朦朧とする……
必死に喉を撥ねさせるが
末端に血が行き届かない。
死を覚悟した時、黒い炎が女を守る様に周りに発生する。
味方の援護だろうか。
女の意識が逸れ、わずかに身体の自由が利き
苦しかった首元が楽なる。
「アロー‼」
「……ヨナ」
「逃げるわよ‼」
黒い炎から、伸びる白い手。
信者が盾になるがそんなもの意に介さないと、
腸を突き破って迫る手に恐怖を覚える。
ぐちゃぐちゃと音をあげ、肉を割っていく女。
その後は、ヨナの肩を借りて
何とかあの場から逃げおうせた。
「なんなのあの女」
「分からない…。浅草にあんな奴がいるとは」
思い出すだけでもゾッとする。
もし、死が人の形をしているとしたら
この姿なのだと思う。
アローは焼けただれ、痛む腹を抱えた。
しかし、逃走劇は始まったばかりなのだ。
あの黒い炎が、執拗に自分たちを追い詰めるとは
まだ知る由もないのだ。
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たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 長文になってしまい、大変申し訳ありません。以下が、この作品に設けた私なり定義です。なっちゃん様や他の読者様には、ご不便をお掛けしますが、なにとぞご容赦を頂ければと。 (2020年7月12日 8時) (
レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 2つ目は、私個人の思い入れです。葵とは、太陽向かって成長する植物です。漢字自体も太陽と関わり深く、それで紅丸との関係性を表現しています。また、紺炉と紅丸の名前に色が含まれており、設定上紺と同系色の響きのある名前でイメージを統一する必要があったからです (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 1つ目は、物語の雰囲気を優先したからです。薄々とは感じて頂いていると思いますが、この3人の関係にはウェイトを置いていて書いております。その為、名前というキャラクター構成の要となる部分が不確定だと、物語を引き締められないと判断し、使用しない事にしたのです (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» コメントありがとうございます。名前の変更はコレを書くと決めた時に、熟考を重ね、しないと決めたので、大変申し訳ないのですが致しかねます。長文になりますが、名前変更をしなかった理由は2つあります。 (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
なっちん(プロフ) - 初めまして^^*お話とても好きです∩ω<`あの名前の変換はできないのでしょうか(;o;)?? (2020年7月12日 7時) (携帯から) (レス) id: 86e7fd8910 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぱく質 | 作成日時：2020年7月8日 21時
