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第2話 ページ4

3週間後




「絵心さん」


青白い光を放つ部屋

アンリは今日も今日とてカップ麺をすする絵心に声をかけた
返事はなかったが、彼女は気にせず言葉を続ける




「Aさんから連絡がありました」


「なんて?」


「...

 選抜残り50名を決めた、と

 今こっちに戻ってきているそうで、タクシー代用意しておいて、とも...」


「アンリちゃん用意しておいて」


「...


 あの、絵心さん

 どうしてプロジェクトに彼女を招集したんですか?
 姪っ子さんとは聞いてますけど...


 トレーナーが必要なら彼女でなくても...」


彼女でなくともいいのではないか
その言葉を言い切る前に、絵心が口を開く




「あいつだから、ここに呼んだ」


「...」


「あいつはまだトレーナーとしては未熟だけどね


 このプロジェクトにはあいつの才能が必要だ」




「才能...?


 彼女に一体どんな才能が...あ」


そこまで言って、そういえばと何かを思い出したアンリ





‟『私...とっても目がいいんです』”





「彼女、目がいいって...」


「ん?ああ、聞いてたんだ」


「あ、いえ

 詳しくは聞けてなくて...」




「アンリちゃん

 Aは天才と呼ばれる類の人間だ



 でも、あいつが求めるものと
 あいつの才能が合致したのはつい最近なんだよ」



「...はい?」



「天才がみんな幸せとは限らない

 あいつはあいつの才能に、ずっと苦しんでた」



「なんの、話ですか...?」



「...」



画面をみつめる絵心の目が
どこか苦しげに細められたように感じる



「...あいつの才能は、『ただいま戻りました〜!!』

 ...タイミング最悪だ」


『え?何?』


「あはは...


 Aさん、お帰りなさい」


『ただいまですアンリさん


 はい、兄さんこれタクシーの領収書ね』


「はい、アンリちゃん」


「...はいはい」




「おい、馬鹿姪

 データ寄越せ」


『はいはーい』












「あの、絵心さん
 さっきの話の続きは...」


「...すぐにわかるよ」




すぐわかる

この言葉は実際に数時間後に実現することになる




絵心Aという天才の正体とは...

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るあ(プロフ) - 細かくて申し訳ないんですが凜は凛です💦 (4月29日 15時) (レス) @page28 id: 400c031e62 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 瑠璃(Aru)さん» コメントありがとうございます!そのように言って頂いてとても嬉しいです!!中々筆が進んでいませんが、頑張って更新していきますので、これからもよろしくお願い致します。 (2023年3月26日 16時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(Aru) - こんなに面白いのになんで伸びないんだ?めっちゃ好きです。応援してます! (2023年3月21日 9時) (レス) id: cdae4ec124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINKAI | 作成日時:2023年3月9日 23時

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