【ブルーロック】絵心甚八の姪は天才らしい

第22話 ページ24

「っ、A！」



ここにいるべきではない

Aのその言葉にも、凪の表情は変わらない



『出ていけ、って言いたいわけじゃない』



「．．．」



『ただ．．．


　”今”の君に、ここは相応しくない』





「え．．．？

　(いま？．．．A、何言ってんだ？)」


「．．．」




『このままじゃ大切な相方の足を引っ張ちゃうよ』


「．．．」


『練習サボるのも
　ゲームするのも
　御影くんにお世話してもらうのも


　ぜーんぶ君の勝手



　そこに文句言うつもりはない』




「．．．うん」




『ここにいると決めたなら
　彼の横にいると決めたなら


　ほんの少し頑張ってみない？』



「ぇ」



『ゲームもたくさんしたらいいし

　やりたくないことはしなくていい


　
　疲れたなら休憩しよう

　私だってそうしてる』


「．．．」




『凪誠士郎くん


　君の思うままに動いてみなさい
　やりたいように


　フィールドの上では

　きっと君は誰よりも自由だ』




「自由．．．？」




『何も知らないことは不利じゃない
　
　何も知らないヒヨッコくん
　
　よちよち歩きの天才．．．



　君の才能を私に見せて？』


「！」




立ち上がり、少し乱暴に凪の頭を撫でたAは、一度ゆるりと口角をあげ手を離した







『楽しみにしてるね？
　凪くん』



「．．．」



『それじゃあおやすみ〜』




火が付いたような
ギラついた瞳

優しい笑みなどどこにもなく

挑発するような



いや．．．

それどころか馬鹿にするような笑顔




出会ってまだ数日

だが彼女のこんな面
彼らは知らなかった


「「．．．」」








彼女もまた

ストライカー達と同じ



この青い監獄に選ばれた人間






唯一無二の才能を持った


エゴイストなのだ．．．＿＿＿＿

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