第191話 ページ48
『ラッキー』
「「「!!」」」
いまだに体の自由を奪われたままのAは焦ることもなく不敵な笑みを浮かべる
それとは対照的に3人の表情には僅かに焦りが見える
その理由は
「なんで操られてないの?」
「まだ発動してないの?」
「いや...もう能力は発動してる...」
「え?ならどうして」
そう
シャルナークは自身の能力を発動済み
しかしAは操られていない
焦るのも頷ける
『操作系だったのかぁ
焦って損した〜』
「...君の、能力...?」
『せいかーい!
アンテナは消えないね
それは本物なんだ』
その言葉と、なにやら異質なオーラにシズクは能力を発動させる
「えっ!?ちょ、おい!僕ごとやる気かよ!!?」
『...具現化系、ね
これまたラッキ〜』
「...あれ?」
Aに向かって振り下ろされた掃除機はドロリと溶けて消えてしまう
シズクは自分の手を不思議そうに見つめている
「...まさか」
『操作系に具現化系...そっちのあなたはわからないけど...
なにも手を出してこないってことは戦闘タイプじゃないのかな?』
「...」
コルトピは具現化系
能力を考えても、今手を出しても意味がないのはわかっているのだろう
『あなた達じゃ私を捕まえれないよ?
どうする?
今見逃してくれるなら私はあなた達がしようとしてる事を邪魔はしないし、誰にも話さない
穏便にいこうよ〜』
ニコニコと笑うA
シャルナークは2人に向かって一度小さく頷くと、2人は戦闘態勢を止める
しかしAは気を緩めない
いまだにあのオーラがAを包んでいる
「...君の能力、まさかとは思うけど
“除念“、じゃないよね...?」
「「...」」
『残念だけど、除念ではないよ
クロロにかけられた念を取り除くために除念師を探してるのかもしれないけど』
「...」
『私の能力は他人の能力を取り除くものじゃない
わかったら手離して!』
「...わかったよ」
ようやっと解放されたAは地面が足につくと同時に近くの木に飛び移る
「ねえ、あなた団長とどういう関係なの?」
シズクの純粋な問いにAはうーんと頭を悩ませ、やがて薄く笑みを浮かべる
『迷子の坊やを助けてあげたの』
その記憶を、まだ彼女は思い出してはいないけれど...
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作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年9月9日 19時