エーデルワイスを君に2【HUNTER×HUNTER】 (ページ28)

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第73話ページ28

『しぬ．．．』

完全に体力が切れたAが床に転がる様はまさに屍のようだ

こんな状態の屍の横には、まだまだ元気なネテロが自慢の髭を触りながら笑っている。

「まあ、基礎体力も戦闘もとりあえずは合格じゃ」

『え、まじ？』

息を切らしながらもなんとか反応する

「うむ
　まあ、及第点じゃがな」

『そっすか．．．』

ネテロは及第点というが、現時点でのAの能力は申し分ないだろう
あくまでも元の体力と戦闘力が、ではあるが

生身の体でこれほどまでの戦闘力を誇っていれば、
例を出すとあのビスケット＝クルーガーですら認めるほどだ

しかしそこで余裕の合格点を出さないのがネテロである

彼に及第点でも合格をもらえただけで、彼女の実力は異常だということだけはわかっていてほしい。

「それでは、次のステップに進むぞ」

『え、もう．．．？』

「はよ立て」

『はい』

震える足でようやっと立ち上がるAはまるで生まれたての子鹿のようだが、そんな彼女を気にすることもなくネテロはホワイトボードを取り出した

「今からとある力について説明していく」

『力．．．』

「これは、この先のお主にとって最も重要なものじゃ
　耳かっぽじってよーく聞くんじゃよ！」

『は、はい！』

迫力のあるネテロの表情にしっかりと返事をしたのち、ネテロはその力について説明し始めた

そう、“燃“について．．．．．

数分程度の説明ではあったが、Aは必死にそれを頭に叩き込んだのだ
忘れることがないように

ホワイトボードに書かれていく文字を、その意味を全て

残った気力全てを使い果たすように
燃について．．．

そして全ての説明が終わった時、ネテロはこう言った

「まあ、今のは全部方便じゃがな」

『．．．』

数秒の沈黙が、数分にも数時間にも感じられ、やっとAが口を開いた

『方便というのは、つまり．．．』

「嘘じゃ
　今のは本来のネンを教えるに値せんものに対して使う嘘

　じゃから今のは全て忘れるよーに」

『．．．』

硬直するAを無視して、それじゃあ本当の方を説明するぞ
と再度ペンを握ったネテロの脳天に向かって踵落としが落ちる

もちろん避けられるものの
執念深くAはネテロを追いかける

『待てゴラクソジジイーーーーーー！！！！』

「フォッフォッフォ
　まだまだ元気じゃの〜」

Aがネテロにダウンさせられるまで、あと2時間．．．