第26話 ページ28
「一体、なんなんだ．．．」
画面を食い入るように見つめるリッポーは、目の前で起きたことに冷や汗が止まらないままでいた。
一瞬であの場を血の海に変えた少女は、もはや人間だったのかさえ疑うものだった。
肉を切り裂く爪も、首を刎ねる尾も
ギラリと光る瞳も、笑うたびに覗く尖った牙も、ふるりと揺れる大きな耳も
その全てが、獣であった。
青藍色の毛並みを揺らし、白花を輝かせる
美しく気高い
その姿はまさに．．．
「オオカミ．．．」
(http://uranai.nosv.org/uploader/common/d/c/f/dcf065cd93fabb00f35b270549aab374.png)
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“．．．おめでとう
試練の道は見事クリアだ
その扉を出て真っ直ぐに進めば出口だ“
『．．．』
Aはリッポーの言葉に何も答えることなく、真っ赤に染まったその身で静かに扉を潜った。
数百メートルほど道を進むと、石の扉がゆっくりと開く。
“100番A
3次試験通過第2号！
所要時間9時間4分“
「．．．♡」
『．．．』
円形の部屋にはまだヒソカしかおらず、Aはその場に腰を下ろした。
「やあ
まさか君が2番目だとは思わなかったよ♡」
『．．．』
「それにしても随分と刺激的な姿だねぇ．．．♡」
刺激的と言ったヒソカの心情は、恐らく今の両腕が露出された服装のことではなく、全身が血に染まった姿のことを言っているのだろう。
「♡」
．．．いや、もしかすると両方かもしれない。
『．．．』
ヒソカからの視線を煩わしく思ったのか、Aは血まみれの上着をもう一度羽織り、その場に寝転がった。
小さく丸まって寝る姿はまるで子犬のようだ。
「(あの夥しい血、全部他人のものだね
一体何人殺したのかなぁ．．．♡)」
1人で勝手に興奮するヒソカに気づいたAはさらに小さく丸まる。
そこから数時間後
続々と合格者が集まる中、全員が血まみれで眠るAを見て死体と勘違いすることとなる．．．。
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SHINKAI(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます！そう言って頂けるとすごく嬉しいです！これからも作品をよろしくお願いします！ (2022年8月31日 0時) (
レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - HUNTER×HUNTERの世界観にあった文章でサクサク読み進めることが出来ました。とても面白かったです！ (2022年8月30日 23時) (レス) @page48 id: 1c5f686e4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2022年2月11日 4時
