第10話 ページ12
「ゴンについて行かなくてよかったのかよ」
『え？』
集団の真ん中で悠々と走るキルアとA。
その隣には先ほどまで一緒だったゴンの姿はない。
どうやら後方のクラピカとレオリオを心配してそちらに戻っていったようだ。
「あとの2人とも仲良さげだったし
お前も向こうに行くと思ってた」
『行くも何もゴンは気付いたらいなくなってたし．．．』
Aはうーん、と顎に指を当てて何かを考えるような素振りをする。
『私、この試験に絶対に合格したいの
もちろん2人のことは心配だけど．．．
自分の合格の可能性を潰してまで誰かのために動くつもりはないかな』
「へー．．．(意外)」
ニコリと笑い、言い放ったAを数秒見つめた後、キルアは思い出したように口を開く。
「さっき！」
『？』
「さっき聞いたことまだ答えてもらってねえ！」
『．．．ああ！
クラピカたちと何話してたか、ってやつか！』
「おお」
ジトー、という効果音が聞こえてきそうなキルアの視線を気にすることもなく、Aは先ほどまでのクラピカたちとの会話を思い出しながら説明をした。
もちろん、自分のことだけで2人の詳しい話は伏せたまま。
「ふーん
自分が何者なのかを知りたい、ね
やっぱお前変わってんなー」
『そう？』
「おう
ぜってー変！」
ひどーい、と笑うAはさほど気にもしていないことがわかる。
続いてAはキルアにどうしてハンターになりたいのか問う。
「俺は別にハンターになりたくて試験受けたわけじゃねえよ」
どうやらキルアは暗殺一家のエリートであり、試験はゲーム感覚で受けたとのこと。
母と兄を刺し家出したと聞いた時Aは声を上げ笑い、キルア強いんだね！と言ったときは逆にキルアが引いていたとか。
「俺やなんだよね
人にレール敷かれる人生ってやつ」
『．．．』
少し悲しげな横顔を見たAはジッとその表情を見つめる．
その視線に気づいたキルアはなんだよ、と問うと、Aは視線を前に戻す。
『あ、あれゴールじゃない？』
指差した先には何やら大きな建物がある。
そうかもな、と言ったキルアの手を握り、一気に駆け出す。
「！？は！！？
ちょ、なんだよ！！」
少し頬を染めたキルアが叫ぶと、周りの受験者の視線が集まる。
それも気にせずAは試験管のサトツでさえ追い抜かし、走り続けた。
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SHINKAI(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます！そう言って頂けるとすごく嬉しいです！これからも作品をよろしくお願いします！ (2022年8月31日 0時) (
レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - HUNTER×HUNTERの世界観にあった文章でサクサク読み進めることが出来ました。とても面白かったです！ (2022年8月30日 23時) (レス) @page48 id: 1c5f686e4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2022年2月11日 4時
