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大「流石の水崎さんも桃のパワーに押されて返せないんじゃ…」
大石やその他の人達もそう思っていたが、Aはなんとかジャックナイフを返した。
桃「よしきた！」
『！！あっ』
が、桃城のパワーに押されロブで返していた。チャンス、あるいは狙っていたことで桃城はお得意のダンクスマッシュでバッチリと決めた。
桃「ドーン…」
Aはダンクスマッシュでのボールの痕跡を見つめた。
そしてやはり口角を上げながら、桃城の方へ振り向いた。
『…流石、青学一のくせ者だよ。桃城くん』
お互い見つめ合い、その後も試合はどんどん続いていった。
長い試合もとうとう終わりとなり、決着がついた。
「ゲームandマッチ、水崎。6ゲーム to 4」
あの後、桃城は3ゲーム取り返すことが出来た。
『ありがと、桃城くん！ちょーいい試合だったね！私も危なかったよ〜』
桃「本気で思ってんだか…でも次やるときはこの結果、ひっくり返してやりますから！」
握りあった手をさらにギュッと握りしめ、そう言った。
Aも、勿論！といつもの愛らしい笑みで握り返した。
桃「そうそれ！やっぱ水崎先輩は笑った顔が一番っすね」
《お前は笑った顔が一番綺麗なんだ。だから笑え》
刹那、Aの脳内に突然その台詞がフラッシュバックした。
そうしてぼーっと一点を見つめしばらくしていると、桃城がAの前に手をかざし、上下に動かしてきた。
桃「？おーい、水崎先輩？どうしたんすか？」
『…へ、……あぁ！何でもないよ〜』
桃「なんか心ここに在らず、って感じでしたけど…」
Aは、あははと笑い、目を伏せた。
『ちょっと昔、桃城くんと似たようなことを言ってくれた人がいたからつい、ね』
その顔はまるで、なにかを懐かしみ、同時になにかを探し求めているような表情であった。
桃城がその表情に戸惑った瞬間、誰かが話を遮って来た。
菊「おぉ〜い！2人とも！いつまでコートに立ってるんだ〜」
大「もう部活が終わるから、2人も早く上がって来たらどうだ？」
いつの間にか周りにはレギュラーの数人しかおらず、2人は急いでコートをあとにした。
越前との帰り道、先程を事を思い出す桃城。
桃『あの表情……水崎先輩って一体…』
桃城は内心そう思いながらも、試合に負けたという事で、テニスコートで越前と打って帰ったのだった。
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作者名：ミズチー | 作成日時：2019年8月21日 14時
