【テニプリ】サムライの弟子。 (ページ32)

今日:1 hit、昨日:16 hit、合計:74,770 hit

最悪の相性！？ページ32

『ダブルスコートか～』

シングルだとアウトだ。そう思って納得してないんだろう。

チェンジコートと審判がいい、乾海堂ペアが私たちの前を通った。その時、乾くんが手首にはめていたリストバンドを外し、ベンチに投げた。

ボスッ

明らかにリストバンドが落ちた音ではなかった。まるで中に何か詰まってるかのような。

『鉛の板のような…なにか』

不「よく分かったね。あのリストバンドの中に鉛の板が入ってるんだ」

うわマジか…と当たったことに若干引きながら、コートに目を向けた。

次は乾くんがサーブを打つようで、ボールをバウンドさせいた。
あの鉛を外したとして、データテニスの乾くんがどういう動きをするのか気になるところである。

乾くんがボールを高く上げ、サーブを打った。
スパーン！という音とともに高速でボールは相手コートに入った。

『鳳くんと同じくらいの速さ…』

関東大会まで温存していた技だったそうだ。手塚さんと試合したときも隠していたらしい。

40ー50、審判のそんな声が聞こえ、いつの間にか3ポイント連取をしていた。

『…あ、ポンタきれちゃった』

突如、私の相棒となりつつあるポンタが、逆さにしても一滴も出てこなくなってしまった。

『仕方ない、買いに行くか』

試合中？そんなの知らないね。ポンタがいなきゃ干からびちゃう。
そう思って買いに行こうとしたら、越前くんに引き止められた。

越「ついでに俺のもお願いっス」

空になった空き缶を私の方に向け、プラプラ揺らしながらそう言ってきた。

『越前くん、私先輩。君、後輩。OK？』

私がそういうと、知ってるけど？という顔をしてきた越前くん。うわっ顔面へこませてやりたい。

ただでさえ暑いというのに…そうぶつぶつ言いながらも買ってきてあげる私の優しさ。うん。

『どーれーにーしーよーおーかーなー』

自分用のポンタは買った。今は越前くん用の飲み物を選んでる。

因みにさっき気付いたけど、私越前くんにお金貰ってない。絶対さりげなく私に奢らせようとしてたよね。

『あー、おでんでいっか』

おでん、と書いてある飲み物？を越前くんに渡すことにした。というか真夏におでんとか売ってるんだ。

『さーて、んじゃ戻るか～』

そう呟いて、足を進めた。とその時、近くで二人分の男の声が聞こえた。

柳「おい裕太、青学の試合は何処だーね」

裕「柳沢先輩、なんかあっちの方みたいっすよ」

･
･