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越「ヒグマ落とし…」
そんな！まさか、などという声が飛び交っている。氷帝の客席の方で、「あれがウチの天才だ」と跡部が言った。
「ゲーム氷帝、3ゲーム to 0」
流れが氷帝に変わっていき、会場は氷帝コールで一杯であった。
もうダメか…そう思った人がいる中で、突然菊丸の動きが変わった。
井「なるほど…！あえてアクロバティック対決を捨てて桃城くんの跳躍力を活かしているってことか」
菊丸がムーンボレーを打ち、まるでゴールデンペアを見ているようだった。
そこからは青学が追い上げていき、一気に3ゲームを取った。
大「様になってるじゃないか。二人とも」
すると客席の後ろからそんな声がした。
コートにいる桃城が客席の上の方に拳を突き上げた。
『…3人でダブルスってわけね？』
そこには大石がおり、3人で拳を突き合わせていた。
大「手塚、すまん」
手「不可抗力だ。お前のせいじゃない」
客席へ降りてきた大石は手塚の横に来るとそう言った。
河「大丈夫なのか？」
大「ああ、二週間もすれば治ると思う」
皆が心配していると、不二の横にいたAがひょこっと顔を出し、ニコッと笑った。
『大石くん、大丈夫だった？』
大「水崎さんのおかげでなんとかね」
『ん？私なにかしたっけ？』
Aが頭にはてなマークを浮かべながら言うといや、といって大石は自分の怪我に触れた。
大「この前練習の時に、応急処置の仕方を教えてくれただろ？あれが無かったら、手遅れだったって医者が言っていたんだ」
咄嗟に動けたのはそのおかげだよ。と大石が言うとAは、まぁそれが私の役目だからね、と言った。
大「そうだけどそれ以前に、もう俺たち仲間じゃないか」
その大石の言葉にAは仲間、か…と言ったがまた笑顔に戻った。
越「…………」
「ゲームアンドマッチ青学、6ゲーム to 4」
あれからさらに巻き返し見事、青学は一勝することが出来た。
『お疲れ〜二人とも』
皆が二人を祝っているとAが来て、またニコッと笑ってそう言った。
桃「うっす！水崎先輩が練習に付き合ってくれたからっすよ」
『んふふーそう？ありがと』
菊丸くんもお疲れ、とAが言うと菊丸はピースを前に突き出して話した。
菊「ブイブイビー！ありがと〜…っていうか何気に話すの初めてだよね」
『あー、そういえばそうだったねぇ。まぁ改めてよろしく〜』
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作者名：ミズチー | 作成日時：2019年8月21日 14時
