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跡「あの山吹中の怪物、亜久津を倒したらしいな」
跡部がそう言うと、氷帝のメンバーはこんな餓鬼に、と亜久津を貶し出した。
桃「おい、そりゃ言い過ぎだぞ」
桃城がそう言うと、目の前にいた向日は桃城の真上を飛び、回転しながら背後に着地した。
桃「！…随分と身軽だな」
向「やるなら来いよ。俺が二人まとめて面倒見てやる」
桃「やだ」
越「やだ」
向日がそう言うと、桃城と越前は二人同時にそう言った。それを見ていたAは「仲良いな…」と呟いた。
桃「やりたいのは山々だけど、この越前ってのがまた下手なんだよ。ダブルスのセンス、まるで無し」
越「っ、よく言うよ。桃先輩だって、猪みたいに突っ込んでいくだけじゃないスか」
なんだと、猪じゃなかったら暴れ馬、などと言い争っていて、何故か二人が試合をする流れになっている。
杏「ち、ちょっと二人とも」
杏が二人を止めようといていると、横からA
が手で制した。
杏「え？」
『ああ、ごめんね〜だけど貴方まで巻き込むわけにはいかないからね』
そう言うとAはニコッと笑った。
あの、と杏が話そうとしていた時、桃城が話しかけてきた。
桃「兎に角、こいつとダブルス組むくらいなら橘妹と組むぜ、俺は。」
杏「えっ！」
桃「あぁ、そうだ。そうしよう」
桃城が勝手に納得していて、杏が困惑しているとAが桃城に声を掛けた。
『桃城くん？可愛い子を無理矢理付き合わせるなんてダメだよ！せめて私にしないと！』
先輩ならいいんすか…、と桃城が言っていると、越前が真っ直ぐ歩き出して跡部に話しかけた。
越「ねぇ、それよりさ。そこの猿山の大将、俺と試合やろうよ」
越前がそう言うと、二人はしばらく見つめ合っていた。
跡「焦るなよ」
越「逃げるの？」
越前が跡部を挑発していると、その間に空気を読まずに誰かが入ってきた。
『えぇー先に私と試合してよ！越前くーん』
越「先輩さっきからそれうるさいっス」
越前が冷静にAの言葉を返して、Aがえー！と言っていると、跡部が思い出したように目を見開いた。
跡「お前……見た事があると思ったがまさか……あっちではよく暴れていたな」
『え？』
Aが目をパチパチとしているとまさか、と急に青ざめた顔になり、それからあーーうーーと言いながら頭を抱えた。
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作者名：ミズチー | 作成日時：2019年8月21日 14時
