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桃『これか…俺の悪い癖は…』
杏「ボール行きます！」
試合が続行され、杏からのサーブであった。
桃城は球を返しながら考えた。
桃『見かけや、ちょっと打ち合っただけで相手の強さを勝手に判断してしまう』
桃城が打ち返し、ラリーが続く。
桃『それで油断してりゃ、足元すくわれる訳だ』
そこで桃城は、先日Aに言われた事を思い出した。
桃『相手をちゃんと見ていない、か……水崎先輩の言ってた事は正しかったんだな…』
杏「あっ！」
桃城の打った球にパワーが入り、杏はギリギリロブで返した。
桃『ジュニア選抜の千石さんと試合した時のような、常に格上の相手に挑んでいくチャレンジスピリッツ……』
桃『これを忘れるなんて、俺もまだまだ修行が足りねぇな！』
桃城は高く飛び上がり、激しいスマッシュを決めた。
桃「ドーン…」
着地したタイミングでそう言うと桃城は、「悪ぃ、つい本気出しちまった」と眉を下げながら言った。
杏「なんか、桃城くんらしくなってきたね」
桃「そっか？何も変わんねぇけどな」
そう言うと杏はううん、と言ってパワー全開って感じと答えた。
桃「ま、サンキューな杏………おっと、いや、橘妹」
杏「何よ！わざわざ言い直すことないじゃない！」
二人がそう口論していると、客席のところに数人人がいた。
跡「随分と楽しそうだな、桃城よ。お前らできてんのか」
桃「どーも…」
客席にいたのは氷帝のレギュラー達であった。
桃城も跡部の事は知っている様で、少し警戒していた。
それから少し話していると、ホントにレギュラーか、大した事ないだろ、と桃城が煽られていた。
桃「上等じゃねぇか…コートに入れよ」
見事煽りに乗った桃城は、向日と忍足にそう言った。
向「悪いけど、俺たちダブルス専門」
忍「お前、その子と組んでやるん？」
二人がその言葉に戸惑っていると、入口の方から二つの人影が見えた。
越「ねえ、今日もサボりっスか。桃先輩」
一人は越前。と、もう一人は
『この前のアドバイス、理解してくれた？桃城くん』
いつもの笑顔で桃城にそう聞くA。
杏「越前くん！いいとこに来たわ！今ね──」
跡「お前が例の青学1年のレギュラーか」
杏が越前に話そうとしていると、横から跡部が話しかけてきた。
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作者名：ミズチー | 作成日時：2019年8月21日 14時
