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越「お願い、っスか……？」
お願いに少し興味を持ってくれたようで、足を止め、こちらを見ている。
「そ、お願い」と言って私も真っ直ぐに見つめた。
『ランキング戦、もし越前くんが一回でも負けたら、私のお願いを一つ聞いてくれｒ』
越「やだ」
『即答！？』
私泣いちゃうよ！？と言いながら、そう言われると予想していた所もあり、あの手段に出ることにした。
『ふーん、自信ないんだ』
必殺、煽り作戦。
もしあの人の子だとしたら、私と同じくらい負けず嫌いで、テニスに対するプライドが高いはず。
．．
『まぁしょうがないよね。所詮越前くんだしね』
越「……………………」
…いや、所詮越前くんってなんだよ。私は越前くんの何を知ってるんだよ。ほら、越前くんも黙っちゃってるよ。
いや、自分で言っといてなんだけど煽りのレベル低すぎじゃない？ちょっと引いたわ。
これは…失敗、か？
越「………良いっスよ、負けないし。」
『まぁそうだよね〜……………あ、いいんだ』
うわ、こんなレベルの低い煽りに乗ってくれるとは。感謝感謝。
越「で、お願いってなんスか？」
『ん？あぁ、それはランキング戦が終わった後のお楽しみってことで』
「ま、それまでに越前くんが負けなければだけどね。」と、意味の無い煽りを添えて越前くんをますますやる気にさせた。
正直、この賭けは半分以上の確率で成功しないと思ってる。
じゃあ何でやるのかってなるけど、まぁそれは単純に、越前くんの本気を見てみたかったから。
それに、越前くんにお願いがあるってのもほんとだしね。
『あ、そろそろ行かないと竜崎先生に怒られるよ？』
越「引き止めたのそっちじゃん」
『そ、そうだけど…ほらほら、コートにLet's Go〜』
痛いところをつかれ、越前くんの背中を押しながらコートに向かった。
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ーーランキング戦3日目ーー
昼休み、初めての学校にも漸く慣れ始め、仲のいい友達もでき、一緒に昼食を食べ終え一人ルンルン気分で校内を歩いていたとき。
ある場所で足を止めた。
『な、なんだって………』
事件は起こった。
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作者名：ミズチー | 作成日時：2019年8月21日 14時
