恋だなんて認めない【影山飛雄】 (ページ5)

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目を瞑っている間、私のことを話している声が聞こえる。

宮侑「ちょ、あれ女優の夏咲 Aよな！？何でこんなとこおるん！？」

角名「え、やばくない？実物めっちゃ美人だね。」

日向「わ〜本物だ…！俺あんまりドラマとか見ないっすけど、ニュースでアカデミー賞もらったってこの前話題になってましたよね。」

ふふん、さすが私！知らない人なんていないみたいね！

ところで、さっきから耳をすましているのにもかかわらず、飛雄の声が聞こえないのはどういうこと？

扉を開けた時、すぐに目を瞑ってしまったから飛雄の顔も見れなかったけど…

反応確かめておけば良かったかも。

「ね〜もう目、開けていい？」

岩泉「あぁ、いいぞ。」

ぱちっ

目を開いて、まず1番に気に食わない顔を探す。

「…飛雄？何、固まってんの？」

すぐに見つかったが、飛雄は私を見たままピクリとも動かない。

「なに、どしちゃったのよ。そんなんじゃ嫌がらせしても反応が期待できないじゃない？」

訝しげに近付いて、彼の顔を見上げる。

…それにしても、背が伸びた。顔立ちも大人になって、ガタイも良くなって…

「腹立つわねほんとに！このクソガキはっ！」

影山「……ハッ…………Aさん…すか……？？お久しぶりです。」

「今暴言で私って判断したわね！？」

ほんとムカつく！声も低くなってるし、さらに可愛げがないのよ！

不満気な顔を隠すことも無く

「ほんと飛雄なんで勝ったのよ、負けた泣き顔を見に来たのに。」

と言い放った。

及川「ほんとAちゃんのその感じ変わんないね…」

「あ、負け犬男だ！」

及川「俺の泣き顔見とけばいいじゃん、名案だね！」

「徹の泣き顔は求めてないんだよね！」

及川「辛辣！」

実はこの男とは海外で何度か会っているため、特に懐かしいという思いもない。

なんなら連絡が鬱陶しいレベルだったりする。

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