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ふと、久しぶりに聞いたあのプロポーズを思い出す。
「…………はぁ。侑に会うなんてな。」
正直、まだ会う予定はなかった。
侑が私のことを忘れるまでか、私にはっきりした相手が見つかるまで。それか、侑が20になるまで。……いや、せめて18。
私だって急に会えなくなって、寂しくなかったわけじゃない。
この後、双子と話す予定になっている。きっと今日の感じだと、まだ私を好いてくれてるのだろう。
……別に、侑が嫌いなわけじゃない。
でも、どうしても年の差がありすぎる。まだ侑は17だ。未成年だ。
将来プロのバレー選手になる男の、貴重な時間だ。私なんかに無駄な時間を使ってほしくなかったから、何も言わずに東京に就職した。
離れないといけないと、漠然と思った。
「………………結局、侑への気持ちを誤魔化すために色々考えてるだけなんやろか。」
侑の魅力的なところなどあげ始めたらキリがない。
治だって他の人だってもちろん魅力的だけど、10年間ずっと私に好かれるようにと、色んな顔を見せてくれたのは侑で。
ただ、恋愛感情の「特別」なのかと言われると、わからないのだ。
「……やばい、のぼせてまう。」
早く、出よう。
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久賀(プロフ) - Aさん» 教えてくださってありがとうございます…!なおしました! (2021年10月31日 21時) (レス) id: e559a199f7 (このIDを非表示/違反報告)
A - ふらぐたってます (2021年10月31日 21時) (レス) @page17 id: 319b92452d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久賀 | 作成日時:2021年10月31日 20時