不誠実な五条くんに弄ばれたい！【五条悟】

7.クズ男の魅力とは ページ8

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五条くんのドタキャンは最初の一回だけじゃなかった。また来週、と約束してもその日もドタキャン、そしてまたその来週、と約束してもドタキャンだった。


しかも3回目のドタキャンに限っては私が待ち合わせ場所に着いてからメールを送ってきた。流石に「もっと早く連絡しろや」とイラついたけど、これもクズ男に弄ばれてる状況なのだと気づいたら何だか楽しくなって許せた。


私、かなり五条くん(クズ)に翻弄されちゃってるじゃーん。


クズの魅力が少しだけ分かってしまったかもしれない。会えなければ会えない程、彼のことを考えてしまう。会いたいが募ってしまう。成る程成る程、こうやってクズ男に引っかかっていくのね。


当初の目的通り、しっかり人生経験を積んでいってる私であった。





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結局、初デートが実現したのは最初に約束した日から1ヶ月が経っていた。


メイクまでバッチリ決めた私は、またまた硝子の部屋に突撃する。「硝子硝子！」と興奮が抑えきれずにドンドンと扉をノックすれば、「なにー？」と目が半開きの眠たそうな硝子が出てきた。


私は携帯電話の画面を見せる。





「ご、五条くんから30分遅れるってメールがあった……！30分遅れるってことはドタキャンじゃない！」

「初デートに30分遅れるのやる気なさ過ぎだろ」

「いやもう来てくれるだけでありがとうって言うか……！」

「やばい境地入ってんね。うけるー」





待ち合わせが寮の玄関っていうのが何とも味気ないけど仕方ない。今までドタキャンされたデートは全部五条くんが任務先から直接来てくれる予定だったから、きちんと駅前とかで待ち合わせだったんだけどね。


まあ、それは置いといて。


硝子にも言った通り、気分はめちゃくちゃ高揚している。体がポカポカと幸せで温かい。





「ドタキャン続いた後にさ、やっっとデートが実現するとこんなに嬉しいんだね。なんかこれまでのイライラとかがどうでもよくなっちゃう。これがクズ男の沼なんだ……」





感慨深く頷いていると、硝子が嫌そうに顔を顰める。





「同期がクズ男にハマるの嫌なんだけど」

「大丈夫！魅力は知ったけど私のタイプではないから！」

「あっそう……」





中学生までのピュアな恋愛とはまた違う、こんな翻弄される恋愛もあることを知って良い勉強になった。






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