17.ごめん、でも流石に ページ18
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いつ別れ話をされるんだろう。
最近、そんなことばかり考えている。
なのに、五条くんからはそんな素振り一切見られない。むしろ一緒にいる時間が前よりも増えているというか。五条くんが他の女の人のところに行く姿も見かけなくなってしまった。
イケメンに弄ばれて捨てられる大作戦は停滞気味だ。
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「五条くん、寝るなら部屋戻った方がいいんじゃない?」
「んー……運んで」
「私が?あはは、無理だって。五条くんとどんだけ身長差あると思ってんのさ」
放課後、2人きりの教室で五条くんは携帯をいじって、私は雑誌を読んで各々で好きに過ごしていると、いつの間にか五条くんが机に突っ伏して眠っているのに気が付いた。
五条くんが寝てる姿ってあまり見たことないから、実は疲れが溜まってるのかなぁ、と心配になってしまう。
トントン、と彼の肩を優しく叩く。
「……疲れてる?」
まだ学生の身でありながら、最強を背負ってしまっている貴方だから。力にはなれないかもだけど、心配くらいはさせて欲しい。
五条くんは徐に顔を上げて安心しきった顔で笑う。
「いや。最近、Aといたら落ち着いちゃって眠くなんの」
……五条くんってこんな顔もするんだ。それを私に見せてくれるっていうのが凄く不思議だ。良い顔して笑うんだなあ、なんてちょっと見惚れてしまったり。
五条くんは席から立つと「運べよー」なんてふざけた調子で言いながら、私の背後から手を回して肩に頭を擦り寄せてこっちに体重を掛けてくる。
「はは、重いって。自分で歩いて______」
そう言って顔だけ振り向いた時だった。
腰を屈めた五条くんの顔が目の前にあって。鼻先はもう触れそうな、そんな距離で。思わず目を見開く。五条くんも息を呑んで動揺した気配が窺えた。
窓から差し込む夕陽のせいか、五条くんの長い長い睫毛の下に影が落ちている。
熱い視線が、真っ直ぐに伸びてくる。
五条くんの手が私の後頭部に回る。そして綺麗な顔がスローモーションのように近づいてくる。
唇が触れる寸前、
「ご、ごめんッ!!」
「んおっ?!」
唇と唇の間に手を滑り込ませて、思いっきり突き飛ばした。
五条くんがこの世の終わりみたいに絶望した顔で「A……?」と呼んできたけど、私はもう一度ごめんと叫んで教室から逃げ出した。
ごめん、五条くん。でも。
流石にキスは好きになった人としたいから!!
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ちゃむ - コメント失礼します!この作品を見た後不誠実な五条さんが好きな私と誠実な五条さん好きの私が喧嘩してました!wこれ五条さん目線のこの物語が見てみたいです!もし良ければ書いて頂けませんか?! (2月7日 22時) (レス) @page39 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 雪菜さん» 最後までお読みくださりありがとうございました!!😭きっと五条は夢主に誠実さを見せつける為に行動を改めていくんだと思います、!最後には手に入れる気満々ですからね笑 こちらこそ更新不定期な今作をお読みくださってありがとうございました…! (1月1日 23時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - わー!!!完結おめでとうございます!!!この先の激重五条も見たいですが想像で楽しみます😌こんな神作を連載してくれてありがとうございました!!本当に見てて面白かったです😭🙏💞 (12月31日 22時) (レス) @page39 id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!!! (8月11日 1時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - dearさん» 夢主を気に入っていただけてとても嬉しいです!☺️でも五条さんは自分と夢主で一緒に幸せになりたいと思ってるかもしれませんね、!笑 (8月11日 1時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はむスター | 作成日時:2022年3月26日 21時