11.カラオケは歌う場所です ページ12
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修羅場と化していたカフェを出て、高専の1番近くのカラオケに向かった。
五条くんと初デートという状況はひとまず置いといて、久し振りにカラオケに来れたことに心は浮き足立っていた。歌いたい曲たっくさんあるんだよね。
2人で使うにしては少し広い部屋に案内されて、とりあえずドリンクだけ注文して席に座った。そう時間が経たないうちに私が頼んだ烏龍茶と五条くんが頼んだメロンソーダが運ばれてきた。
店員が出て行ったところで、私は「よしっ」と気合を入れる。利用時間は3時間。短い時間だけど、思う存分楽しもう。
______私は気づかなかったが、すぐ隣に座っている五条くんが私の腰に手を回そうとしていた、らしい。
が、私は早く歌いたい気持ちでいっぱいで、曲を予約するなり、マイクを持って勢いよく立ち上がった。隣から「うおっ」とびっくりする声が聞こえた。
「今日はたっくさん歌うよー!五条くんも歌いたい曲じゃんじゃん入れちゃってね!」
私が入れた曲の前奏が始まる。ノリノリでその場で軽くステップを踏んでいると、「……お前、カラオケに何しにきたの」と呆然と尋ねられた。
何してきたって、そんなの。
「え、歌いにきたんだよ。そりゃ、カラオケだし!」
「…………あ、そ」
「?」
当たり前だとそう答えれば、五条くんは面食らったような表情をした後、すぐに携帯電話を取り出していじりだした。「五条くんも歌いたいの歌ってね」といえば「おー」と空返事で返された。
どうしたんだろう。気にはしたが、歌うパートに入ったのでテンション全開でその曲を満喫した。
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「ねえ、五条くん歌わなくていいのー?」
「歌ったじゃん。さっき」
「まだ2曲くらいしか歌ってないじゃん」
携帯電話をいじってばかりで五条くんがあまり歌ってくれないので、ほぼ私の独壇場だった。
残り時間はあと30分。流石にテンション全開で疲れてきたし、歌のレパートリーもなくなってくる。五条くんは中々歌ってくれないし。
どうしようかなあ、と少しばかり思案してある考えがピコンと浮かんだ。気を取り直してマイクを持つ。
「それでは、エントリーNo.1A!替え歌しまーす!」
「…は?」
今度はテンションを上げすぎず、ゆるーく十八番の替え歌を披露する。
五条くんは最初は訝しげな表情をしていたが、徐々に肩を揺らし始め、終盤にはお腹を抱えて笑っていた。
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ちゃむ - コメント失礼します!この作品を見た後不誠実な五条さんが好きな私と誠実な五条さん好きの私が喧嘩してました!wこれ五条さん目線のこの物語が見てみたいです!もし良ければ書いて頂けませんか?! (2月7日 22時) (レス) @page39 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 雪菜さん» 最後までお読みくださりありがとうございました!!😭きっと五条は夢主に誠実さを見せつける為に行動を改めていくんだと思います、!最後には手に入れる気満々ですからね笑 こちらこそ更新不定期な今作をお読みくださってありがとうございました…! (1月1日 23時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - わー!!!完結おめでとうございます!!!この先の激重五条も見たいですが想像で楽しみます😌こんな神作を連載してくれてありがとうございました!!本当に見てて面白かったです😭🙏💞 (12月31日 22時) (レス) @page39 id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!!! (8月11日 1時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - dearさん» 夢主を気に入っていただけてとても嬉しいです!☺️でも五条さんは自分と夢主で一緒に幸せになりたいと思ってるかもしれませんね、!笑 (8月11日 1時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はむスター | 作成日時:2022年3月26日 21時