不誠実な五条くんに弄ばれたい！【五条悟】

1.最強の彼女はイカれてる ページ2

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純情で綺麗なだけの恋だったら中学生までで体験してきた。少女漫画みたいにロマンティックなものではなかったかもしれないけど、たった1人の異性を特別に想って、幸せや悲しみを共に共有する美しい恋をした。


結果的に別れてしまったが、当時の美しいだけの恋は今も大切な思い出として胸の中に在り続ける。


そんなピュアッピュアな恋を経て呪術高専に入学した私が次に憧れたのは、正反対のクズ男に引っかかる恋だった。まだまだ若いんだ、恋は美しいだけじゃなくていい。そう思った。


ぬるま湯に浸かってる始終ハッピーな恋ではなくて、クズ男に騙されて振り回されて裏切られて、最終的に捨てられる。そんなドラマティックな恋も体験してみたいと思った。人生経験として。


じゃあそんなクズ男が見つかるのかという問題は浮かんだ瞬間に解決できてしまった。すぐに奴の顔が浮かんだのだ。____五条悟の顔が。


五条くんは女の子を取っ替え引っ替えしてるらしい。しかも同時進行で。彼の親友が事実だと認めていたから間違いない。


彼は浮気に罪悪感を感じていないクズ男だ。


そう、私が求める条件にピッタリなんだ。


それで2年生になって割とすぐに硝子に相談してみた。





「私さ、イケメンと付き合って弄ばれて、最終的に捨てられてみたいんだよね。人生経験として。だから五条くんと付き合いたんだけど、硝子はどう思う？」

「うける。薄々気づいてたけどAって相当イカれてんね」

「えー、私ってイカれてるのかな」

「Aが最近やけに五条のこと見つめてるからまさか誤作動で惚れたのかと思って心配してたけど……、杞憂で良かったよ」

「五条くんはどんな風に捨ててくれるのかなーって思ってたら多分無意識に見つめちゃってた」

「そういう理由ならいいんじゃない？初めっから捨てられること前提で付き合うなら(面白そうだし)」

「だよね！よし、じゃあ硝子から公認貰えたし早速告ってくる！」





そこからすぐに五条くんの部屋に行って「付き合ってください」と告白した。返事は来る者拒まずの五条くんらしく「ま、いーけど」だった。


そんなこんなで、弄ばれて捨てられるまでの私と五条くんのお付き合いがスタートしたのだ。






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