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有希ちゃんの車に乗せてもらって帰路につく
有希ちゃんの車に乗せてもらうの、久しぶりだな………
サムライウーマンの芳りの中、後部座席でぼんやり外を眺めた
(Aを守るために)
……………横山先生の言葉を思い出す
きれい事の代表のような言葉を発する横山先生の表情には、悔しさが滲んでた気がする
有「………A、明日学校………無理しなくていいんだよ？」
ルームミラー越しに、有希ちゃんが目を合わせて言った
A「ううん、行くよ」
有「…………」
A「負けたくないもん」
堂々と登校して、堂々と授業を受ける
子供ができる抵抗なんてちっぽけなものだろうけど、あの教頭に、真っ当な形で精一杯の抵抗してやるんだ
ふさぎこんでなんかやるもんか
A「…………それに、横山先生との約束もあるし」
有「………そっか、そうだね」
横山先生は、保健室であたしに
横「……今日のところは、有希先生に送ってもらってもう、帰った方がええわ。………明日、学校来れるか？」
A「…………」
この時は、まだ横山先生の問いかけにはっきりと返事ができなかった
けど
横「………今、話せるのはここまでや。ヒナが、なんで教頭にAとのこと話さなあかんかったか。有希先生やどっくんがなんで、ヒナとAのこと知ってはるんか」
………………………
横「……今は話されへん。来れるか？明日」
錦「横山くん、そんな交換条件みたいなこと………」
A「来ます。学校、明日」
錦「……！Aさん……」
横「…………」
A「……明日、必ず来ます。有希ちゃん、送ってもらえる？恵美たち待たせてるのも嫌だから、帰りますね」
有「………錦戸先生、びっくりしてたね。あたしもびっくりしたよ。A、急に強気にでるんだもん。今の……『負けたくない』って言ったのもびっくりした」
A「………え、そう？」
フロントガラス向こう、うちの家の前に、心配そうにこっちを伺ってるお母さんが見えた
有希ちゃんがゆっくりブレーキを踏んで、玄関の少し手前で車を停めると、お母さんが、すぐに駆け寄って来てくれた
有希ちゃんが軽く会釈して、車から降りようとした時、お母さんには聞こえないようにあたしに言った
有「……愛だね、A。貫け」
実際に愛を貫いた人からの言葉に、あたしはしっかりとうなずいた
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作者名：C.O. | 作成日時：2018年6月13日 12時
