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進路相談の日からしばらくして、恵美からこんなLINEがきた
(マルちゃんと、付き合います)
びっくりして、すぐに恵美に電話したら
恵「ほんとは、ずっと好きだったの。でも………」
一度付き合ったら、別れた後がこわくって………と、恵美らしからぬ弱気な答えが返ってきた
おめでとう!よかったね!って伝えた後、隆ちゃんにも電話したら
隆「大倉から、Aちゃんに告ったって話聞いてな?せやから俺も、もっかい当たって砕けよかな、思てん」
これまたびっくりな答えが返ってきた
A「たつ、告白してくれたこと、隆ちゃんに話してたんだね……」
隆「おん、あいつ、Aちゃんが信ちゃんのこと好きやってわかってんのに告ったんやろ?せやのに、俺は何してんねやろ、思てな?負けてられへん!思てん」
電話の向こう、そう言って笑う隆ちゃんは、ほんとに男前だと思った
2人がうまくいって素直に嬉しいと思ったし、きっとこの先、長く続いていくんだろうなっていう確信があった
3年生になって、あたしと隆ちゃんはまた同じクラスになって、恵美からは
「いろいろよろしく」
って頼まれちゃいました
A「隆ちゃん、中学の頃からずっと恵美のこと好きだったんでしょ?クラスが離れたことぐらい、隆ちゃんにとってはどうってことないよ」
そう言ったら、恵美は
恵「………え?なんで知ってんの!?」
すごくびっくりしてた
恵美は、たつと章ちゃんと同じクラスで、担任はまた横山先生だった
そして、あたしと隆ちゃんの担任はなんと錦戸先生で
錦「受験生の担任なんか初めてやわあ!横山くん、どなしたらええん!?」ユサユサ
横「ちょ、どっくん落ち着こか。俺も3年の担任やから、一緒に頑張ろ、な?」ユサユサ
………………いつか見たのと同じ光景に、思わず笑みがこぼれたけど
そこには、村上先生の姿だけはやっぱりなくて
A「…………」
あたしは、この時にはもう、ひとつのある決心をしていた
そして
この年の5月も、中庭のハナミズキは立派に花をつけた
村上先生がくれた
ハナミズキの花言葉
それを心の支えにして
3年生の1年間を過ごした
村上先生と、会うことなんてなかったけど
連絡先だって知らないままだったけど
なんでだろう
あたしたちは繋がってるはず
そう信じて、3年生の1年間を過ごして
みんなと一緒に無事に高校を卒業
あたしは
大阪の短大の英文科に進学した
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作者名:C.O. | 作成日時:2018年6月13日 12時