ハナミズキ3 (ページ20)

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翌日、たつと隆ちゃんに付き添われる形で教室に入った

恵美や章ちゃんはもちろん、クラスのみんなが笑って迎えてくれて、横山先生も、安心してくれてたみたいだった

雪の影響も無く、予定通り模試が行われた後は、以前と変わらない日常が戻ってきた

まぁ………模試の結果は、ちょっとアレだったけど

恵「模試のこと、ごめんね！でも、あたしも勉強なんて手につかなかったんだよ？」

横「あれ？恵美と家お邪魔した時ゆえへんかった？」

A「…………」(苦笑)

こんなやりとりも含めて、日常のありがたさがなんとなく、わかった気がした

だけど

村上先生がいないことも、もうすでに校内での日常になってることは明らかで

教頭の甥っ子だという、村上先生の後を引き継いだ先生は、若いってこともあって、そこそこの人気者になってた

教頭が時々、その甥っ子先生と満足そうに会話してるのを見かけることもあった

それを見つめる横山先生の顔は憂いを含んでいて、男の人なのに、目が離せなくなるくらい美しかった

2月になって、学年末の考査も終わり

3月に入って3年生たちが卒業していって、あたしたち在校生も、あとは春休みを待つだけになってた

もうすぐ、1年が経つ

初めて村上先生に会ったのは、春休み中の4月になってすぐの頃だった

あの時の出会いが、こんなに悲しい今に繋がっていたなんて

１年前は考えもしなかった

横山先生のクラスの子はみんな無事に進級が決まって、平穏に年度末を迎えられそうだった

特に、横山先生の歴史と錦戸先生の英語に関しては、あたしたちのクラスの平均点が1年を通して1番良かったと、横山先生が嬉しそうに教えてくれた

横「ほんまは、こんなん生徒にゆうたあかんねんけどな、俺、めっちゃ嬉しいわ」

でもきっと、それは横山先生のおかげ

色んなことがあったけど

今までの学校生活で、1番楽しかった1年だったって素直に思う

村上先生が英語を担当してたクラスは、学年末考査で、英語の平均点だけが嘘みたいに落ちたという噂を聞いた

つまり、甥っ子先生が受け持つようになってから、担当クラスの英語力が落ちた、ということらしい

受験まで1年もないのにと、保護者たちが怒り狂ってるらしいというのも聞いた

生徒たちの間では、村上先生の復帰を望む声も少なくないんだって

今後、甥っ子先生と、ゴリ押し紹介した教頭の立場がどうなるのか

そんなこと

あたしたちが知ったことではないかな