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………prrrrrrrrrrrr
prrrrrrrrrrrr
prrrrr……
プツッ
「……もしもし?」
「ぁ……ヨコ?……俺」
「………………お前……今まで何しててん」
「……ごめんやで。何回も電話もおてたのに」
「……今どこにおんねん」
「今………もう大阪や」
「すばるも?」
「いや……すばるはまだそっちにおる。…………………ヨコ、すばるのこと、頼むわな」
「……ちゃうやろ」
「え?」
「頼みたいのは、すばるのことだけちゃうやろって」
「…………」
「ほんまは、どない思てんねんな。Aとのこと。ほんまに、このまま離れてええんか?」
「…………」
「なんで………A突き放すようなことゆうてん。卒業まであと1年ちょっとやんか」
「…………」
「……ヒナ」
「……………Aは、まだ若いやんか」
「…………」
「………卒業したら迎えに行くわとか、大人になるん待ってるからとか………そんな言葉で縛ったらあかんような気がしててん」
「そんなん………お前の勝手な思い込みなんちゃうん。A、ものっそいしんどい思いしてんねんで?ようやくここんとこで俺や恵美に会うてくれるようなってんから」
「………ごめん」
「謝る相手がちゃうやろ」
「……………嫉妬も、あった思うねん」
「…………」
「どないしてんねやろな、て、考えへん日は無かってんで?あいつ、泣いてるんちゃうかなって、ものそい心配やってん。せやけどあの日、大倉と一緒におるとこ見てもおてな……」
「…………」
「なんや、俺おれへんくても大倉と仲ようやってんねや、思て」
「ほんで、嫉妬か」
「せやねん……アホやろ、俺」
「アホやな」
「………後悔してんねん」
「…………」
「ものっそい後悔してんねん。けど、お母んなんかものそい喜んでてさ……俺が大阪戻って」
「ほなもう………こっちけえへんの?」
「……せやな、春からもう大阪で就職決まりそうやねん」
「…………そ、か」
「……おん」
「……すばるはどないすんねん」
「すばるも……多分もう少ししたら大阪帰る思うわ」
「………そか……………寂しなるな」
「すばる、独りじゃ大阪よう帰れへんからさ、ヨコ、手伝ったってな」
「……おん………わかった」
「…………」
「…………」
「…………ヨコ」
「…………何」
「…………」
「…………何やねん」
「…………頼みがあんねん」
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作者名:C.O. | 作成日時:2018年6月13日 12時