おかしい ページ50
楽しい食事の時間が終わりを迎えようとしていた。
A(こんな風に悠馬と会話するのなんて、何時ぶりだろう…)
そう思いながら、残りの卵焼きを口に運んだ。
野坂「ねぇ」
A「なに？」
野坂「Aは僕のこと、どう思ってるの？」
A「え…な、なに急に」
急な質問に飲み込みかけていた卵焼きが喉につまり、ドンドンと喉を叩くA。
野坂「大丈夫？」
A「だれのせいよ…」
軽く野坂を睨みつけていっきに水を飲み干した。
野坂「それで…どうなの？」
A「どうって…っ」
A(あれ…)
Aは何故かそれ以上言葉が続かなかった。
そんな自分に、戸惑いを隠せずにいる。
A(ただの幼なじみって言うだけなのに…なんで…なんで、言えないの)
野坂「…変な質問しちゃったね」
中々口を開かないAに野坂は目を伏せた。
A「え…」
野坂「まぁ、忘れてくれていいから」
そう言う野坂の顔は、どこか悲しげだった。
A「っ…ごめん」
そんな野坂をみて、何故が罪悪感が湧いてきて野坂から視線をそらすA。
野坂「Aが謝る必要はないさ。じゃあお先に」
いつの間にか全て食べ終えていた野坂は席を立った。
野坂「あ、そうだ」
A「？」
前かがみになってAと距離を縮めてきた野坂に、首をかしげるA。
Aをちらりと見た後、野坂はAの髪にわざとリップ音を響かせ、軽くキスを落とした。
A「な…！」
思わぬ野坂の行動に頬を染め上げるA。
野坂「ふふ。顔が真っ赤だよ」
そんなAの反応に何故か満足気な野坂は次に耳もとに口を寄せ何かを呟き、笑みを向けて去っていった。
A「今日の悠馬…おかしいよ…っ」
Aは未だに熱い両頬に手を当て、ぎゅっと目をつむった。
A(可愛いなんて、いつも言わないくせに…っ)
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作者名：きなこ x他1人 | 作成日時：2019年2月10日 0時
