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山本君はお勧めの場所がある、曰く、有名な大手チェーンカフェ……沢山店を構える喫茶店があるとのこと。その一店舗に連れて行ってくれるそう。
彼の足取りに迷いは無く、緑のアマビエみたいな女性が描かれた喫茶店に入って行った。
僕も後を追ってその喫茶店に入った。
店には結構な数の人が居ると見え、成程確かに人気な事を悟り、有名なのにも頷けた。
カウンタア迄には少し人が並んでいた。
「あの、カフェミストってお好きですか」
「かふぇみすと?」
「あ、カフェオレです!」
「……聞きなれないなあ」
「えっ!?ご存知ない?あー……っ!珈琲牛乳で伝わりますか」
「あー!あれか、うん、僕一回飲んでみたかったんですよ
「そうですか、俺も同じの頼むんで、あっ、本当に返さなくていいんで」
「いや、そんな、何から何まで申し訳無い……」
本当に申し訳無い。こんな青年に僕の分まで払って貰って……
お金貯めたらちゃんと返さねば。
「へへっ、大した額じゃないんで!」
だからって、僕も後々迄引き摺るからなあ。
カウンターの順番が僕たちに来た。
彼が全部頼んでくれるみたいだから、任せる事にした。
淡々と店員とやり取りを済ませ、料金を支払う時だった。
「では、お会計748円になります」
え?
この店員は今何と?
「えっと、五百円と……あったあった」
そんな大金を喫茶店如きに払えと?
莫迦な、そんな冗談、幾ら何でもぼったくり過ぎではないか。
それに、こんな大金、この少年が持っているとはとても思え……
「はい、750円お預かり致しました、2円とレシートのお返しです。彼方のカウンターにてお待ち下さい。有難う御座いました〜、お次のお客様」
えっ、ええっ!?
何故そんな大金、は?有り得ない、何事?
ん?そんなに金持ちなの?
此処レストランかな?あれ、何、何なの?
そんな混乱を勝手に一人で起こしていると、山本君は珈琲牛乳を店員から受けっとていた。
こんな高級な物、僕が飲んでいいのだろうか。
「此処だと人が多いので、二階に行きましょう」
僕は彼に言われる儘、階段を登っていった。
二階には人がまばらである。
ていくあうと?とやらをする人が多かった。
カウンタアで飲み物を受け取って其の儘外へ行くものだから、二階には人が居ないのだろう。
僕たちは街並みのよく見える二人席に座った。
山本君は一口珈琲牛乳を飲むと、笑って僕に飲むよう勧めてきた。
「そんな気負わなくても平気っすよ」
僕は恐る恐る口にした。
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アリてる.冷花(プロフ) - すにすなさん» コメント有難うございます!私も覚えてますよ!!本当に嬉しいです頑張ります! (4月3日 11時) (レス) id: 39e2327944 (このIDを非表示/違反報告)
すにすな(プロフ) - 昔Riruriという名前でコメしたものです。このお話ずっと大好きです。これからも楽しみにしています! (4月3日 11時) (レス) @page20 id: b675f659fc (このIDを非表示/違反報告)
アリてる.冷花(プロフ) - さくさくパンケーキさん» コメント有難うございます。本当ですか!?とても嬉しい限りです。更新頑張ります! (2022年3月10日 17時) (レス) @page7 id: 39e2327944 (このIDを非表示/違反報告)
さくさくパンケーキ(プロフ) - とっっっても面白いです!占ツクの中で一番です!!更新楽しみにしてます! (2022年3月10日 16時) (レス) @page7 id: c7ea56a150 (このIDを非表示/違反報告)
アリてる.冷花(プロフ) - ひろぽにうむさん» コメント有難うございます。更新頑張ります! (2022年3月10日 16時) (レス) id: 39e2327944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリてる.冷花 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/wuashyt8942/
作成日時:2022年3月8日 17時