外堀を埋める ページ31
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「私思うんだけどね、もうAちゃんは観念した方がいいと思うの」
「…何いきなり」
とある休み時間。移動教室の為机の中の教科書を取り出し準備をしている最中に、私の準備を待っていた村木さんから出た言葉。突然始まった話題に何故か話の主体であろう私だけが置いていかれた。
「テニス部のマネージャーだよ。勿論私はAちゃんの味方だからAちゃんのしたいようにするのが1番だと思ってるけど…でも幸村君の話を聞いてると、あぁテニス部も大変なんだな、本当にAちゃんを必要としてるんだなって思えてきて」
「…ちょっと待って、幸村？なんで幸村が出てくるの？」
「えへへ…実はこの前自販機で小銭が足りなかったところを助けてもらったのです！いやぁあれは確かにイケメンだね、ファンクラブが出来るのも頷けるよ！うん！！」
「どんだけお金なかったの村木さん。いやそこはどうでもいいか…っあぁ、教科書落ちた……もう情報量！」
いつの間にか繋がっていた2人に驚きを隠せず、折角見つけた教科書を机の下に落としてしまう始末。どうやら村木さんの足下まで滑っていたようで、村木さんは拾い上げて机に置いた。
「ありがとう…。それで？なんでジュース奢ってもらっただけでテニス部の話になったの？」
「その1回だけじゃないよ！廊下ですれ違ったり、部活の休憩中に水道でばったり会ったりして仲良くなったんだ。その時になんでテニス部の人はAちゃんにマネージャーになってほしいのか聞いて…、最初はAちゃん困ってるから勧誘諦めた方がいいんじゃないかなって言おうと思ってたんだけど…」
「けど？」
「サポートしてくれる人がいない運動部の気持ちは私もとっっってもわかる！！だからAちゃん！放課後一緒にテニス部行こう！！」
「絶対行かない」
「見に行くだけだから！私もいるし！ね！！」
「アーキコエナイナー」
教科書を持って村木さんの勧誘を振り切りながら教室を出る。優しい村木さんの事だ、同じ運動部で共感出来る事もあるのだろう。そしてテニス部に対して少しでも力になりたいと思ってしまった…といったところか。
「(この前柳生に誘われたのは試合であって部活動じゃないし…部活動に行ったら私もミーハーと間違われそうだし…やはり行かないに限る)」
その後も村木さんに何度も行こうと泣き付かれ、何度か観念して行ってやろうかと血迷いながら村木さんとの逃走劇を制した。
(私の1番の弱点)
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かるぴん(プロフ) - とっても面白くて一気に読みました。続きが気になりすぎて仕方ないです！お時間のあるときに更新してくださると嬉しいです。お体に気をつけてください。 (2021年2月22日 5時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
otohsun08050054(プロフ) - とっても面白かったです。続きが気になります。更新頑張って下さいね。 (2020年7月28日 10時) (レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きはまだですか？ (2020年2月13日 5時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 美空さん» コメントありがとうございます！夢主の事気に入っていただけて嬉しいです(´ｰ｀*)今後も楽しんでいただければ幸いです！ (2018年4月25日 7時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続編おめでとうございます！更新楽しみにしてます！夢主の性格好きです(^-^) (2018年4月24日 22時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2018年2月6日 22時
