それでも変わらない ページ26
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「…おはよ」
「おはようAちゃん。朝ご飯もうできてるで。」
昨日の夜、髪をしっかり乾かし終え居間に戻って来た時には謙也はもういなかった。テーブルの上に小さいメモがあり、走り書きで「おやすみ」と書かれていたのであの後帰ったようだ。元々字が上手くない上に走り書きなので正直一目でなんて書いてあるかわからなかったが、なんとなく字の形的にそんな感じ。フィーリング大事。テニスをした事もあってか、いつもより眠りに落ちるのが早く、ぐっすり睡眠を摂ることができた。迎えた朝は既に日が昇っており、ご覧のとおり朝ご飯の準備も手伝えなかった。
「ありがとう…起こしてくれれば手伝ったのに。」
「いつも1人で家事やっとるんやから、ここにいる時くらい休憩せんとあかんよ？」
「…」
「不満気な顔やなぁ。それじゃあそこのお皿取って。おかずよそってあげる。」
「…はい。」
よっぽど顔に出てたのか、私の思っている事を汲んで手伝いと言えないくらいの手伝いを頼まれた。まぁここまで準備が進んでいると逆に手伝う事を探すのが大変だ。中学生にもなってあまり迷惑をかけたくないし、お言葉に甘えて大人しくしていよう。
朝ご飯を済ませた後は帰りの支度をし始めた。元々大量に荷物を持ってきたわけではないので、支度もすぐ終わり、昨日読めなかった本の続きを読む。あとは祖母の肩と腰をマッサージしてあげたり、離れて生活しているからできない事をやってあげた。滅多に出来ないおばあちゃん孝行の機会だからちゃんとやらねば。
「今日は謙也君と遊ばないん？」
「部活だって。テニス部大会前で忙しいみたい。見送りいいって言っておいた。」
「あらそうなん？じゃあ終わる頃にはAちゃん帰ってしまって寂しいなぁ。」
「また来るし、寂しくない。」
「せやろか？謙也君はAちゃんの事大好きやからなぁ。泣いてまうかもしれへんで？」
「あはは、私が泣かせた事になるのかな。」
もう昔の話だが、遊ぶようになってから私が神奈川に帰る度に泣きながら嫌がって私の手を離さなかった彼の姿が脳裏に浮かんだ。いつから彼は泣かなくなったんだっけ？やけにしっかりするようになったんだよな。もう何年前か思い出せない。
「(そう思うと…ちょっと寂しかったり)」
自分も歳を取るがあいつも歳を取るし、考え方も態度も表情も変わってくる。それでも馬鹿正直で真っ直ぐなあいつに変わりない。
(短い時間だったけど)
(大阪来て良かったかも)
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otohsun08050054(プロフ) - ヤバい！めちゃくちゃ面白いのですが！もっと早くこの作品に出逢いたかった(>_<) (2020年7月28日 9時) (
レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - もんたろさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉をいただき感激です…！不定期更新ではありますが、完結までお付き合いいただけると幸いです(´ｰ｀*) (2017年12月2日 0時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
もんたろ(プロフ) - テニス部の私生活？って言うんでしょうか…それがなんだか自然体って感じですごく好きです。登場人物達の雰囲気が皆やわらかくて読んでいてほっこりします。更新頑張ってください！ (2017年12月1日 23時) (レス) id: 47cdc4e065 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 和堂 桜さん» コメントありがとうごさいます！1つの話で詰め込みたい内容が多すぎて今みたいな感じになっております…。アドバイスいただいた内容を参考にしながら徐々に改善していこうと思います！ご指摘ありがとうございました(´ｰ｀*) (2017年11月26日 1時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
和堂 桜(プロフ) - 内容は魅力的なんですが・・最初の方から、「」以外の説明？みたいなところが文字がつながりすぎて読みにくいです・・。改行？とか空白を多くすると読みやすくなるかと・・すみません！！もったいないなーと思いまして！！ (2017年11月25日 20時) (レス) id: 5cbf3e7e7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2017年10月6日 18時
