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予想外のハプニングにより1ヵ月半も先延ばしになってしまったが
今日でスマイル様のところで働くのは最後だ。
引きこもりの彼にしては珍しく外に出ているそうで、掃除が終わったら中庭に来いと朝の挨拶の際に伝えらえた。
今日も天気がいい。時折、気まぐれのように強い風が吹いてくるが、不快ではなかった。
薄い色のレンガでできた道を辿って歩いていると、端の方に植えられた木の下に据えられたベンチに腰を下ろすスマイル様を見つけた。
近付いていくも私に気付く様子はない。下を向いた頭が風に吹かれて毛先が靡くが、本人は少しも動かない。もっと近付けば手元に分厚いカバーの本が持たれていて、本を読んでたのかと納得をした。
『スマイル様』
呼びかける。しかし、丁度風が吹いて声を攫われてしまった。
もう一度、そう思ったときそこで私は違和感を覚える。バラバラと風で捲られたページ。
それを持つ手が全くもって動かない。抑えようともしない。
一度止まってから、今度は歩幅を大きくして近付いた。
『スマイル様？』
目の前にしゃがんで顔をのぞき込む。
木漏れ日を浴びる彼の瞳は閉じられていて、薄く開いた唇から細い息遣いを感じた。
.........寝てる。
少々面食らってその寝顔をまじまじと見つめてしまった。綺麗だなって思って。
陽の光が透ける髪も、影を落とすまつ毛も、白いシャツに結ばれた紫色のネクタイも。
胸についた笑顔のバッチの下に垂れ下がる白尾がまるで生きているように風で踊る。
ふと甘い匂いが強く香った。ほんの一瞬。その一瞬が私の興味を引き込む。
どこから？その思いに思考を奪われて一度立ち上がり、体を屈めてスマイル様へ顔を近づける。
sm「何してる」
低い声が鼓膜に触れた。
視線を向ければ半分夢の中に居るのであろう朧げな瞳がこちらを向いている。
途端に喉がぐっと閉まるような感覚を覚えたが、平静を装って顔を離す。
『肩に木の葉がついておりましたので』
当たり障りのない嘘を吐く。
聞いてないのかスマイル様は視線逸らし、無言でぐるりと首を回す。
そして背中をちょっと伸ばしたあとに、スッと小さく丸まった。猫背だよな...この人...
完全に開いた瞳は本に向けられていて、数秒それを見つめていたあとに小さく「どこまで読んだっけ」という言葉がページに投げかけられた。
ふと、あ、と何か思い出したように上げられた瞳がこちらを覗く。
sm「さっきのあれさ、お前もしかして...」
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そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 1から読んだら色々ボロが出てくるから読まなくて大丈夫です！笑笑ほんとに全ての内容を忘れたあたりで読み返すことをおすすめします！ (2022年7月8日 10時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - そらと。さん» 続編読みました！いいですね、良いですね！少し時間がなく一から読み直されないのが悔やまれますが、いつか読み直したいと思ってます！ (2022年7月6日 13時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 読み過ぎですｗｗｗｗ何回読んでも変わらないですからｗ続編楽しみにしててくださいｗ (2022年7月2日 13時) (レス) id: 212d629fae (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - そらと。さん» 50ページの最後が凄く気になりすぎてとりあえず200話だけ2回読みました。ありがとうございます。もう一度1から読んできます！！ (2022年7月2日 12時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 読んでいただいてありがとうございます！そしてお疲れ様です！これからも更新頑張りますのでまた見に来てください！！ (2022年6月24日 8時) (レス) @page45 id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2022年4月29日 23時
