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sm side
俺はすぐさま医師の下へ運ばれて処置を受けた。
ナイフで思い切り刺されたから傷は深かったものの、急所や臓器に影響はなかったのはよかったと思う。
部分麻酔を打たれて手術台の上でハチの巣みたいな形のライトを浴びながらも
俺は自分の怪我よりも別のところへ意識が向いていた。
カチャカチャと金属が擦れる音すら焦燥感を煽る。
今にも起き上がって走っていくことも脳裏に過るが、それが得策だとは到底思わない。
でも、意外だった。自分にそんな思考が芽生えることが。
...単純に身代わりになった人間のことが気がかりなだけ。
自責の念に駆られているだけだ。
「痛みがありますか？」
sm「いや...」
防護服で身を包んだ医師が声をかけてきた。
驚いたせいか掠れた声しか出ない。
手から力が抜けて指が解かれる。
いいや、そうじゃない。今まで手を強く握っていたんだ。
sm「術後、すぐ動けるか？」
「いいえ、完全に傷が塞がるまでは安静にしていてください」
俺の疑問は傍に立っていた別の人間に一蹴される。
sm「なら、動けるようにしろ」
「え？」
sm「麻酔が切れるまでにな」
「いや...ですから...」
sm「傷口が開いたらまた縫えばいい。だけど、命が失われたら戻す手段を持ち合わせていないことは
お前らが一番わかっているだろ？」
俺の言葉だけが室内に響き渡る。
目しか見えないが、全員の顔に暗い影が落ちたように見えた。
sm「今まさに失われかけてる命がある」
＿＿＿＿＿
＿＿＿
＿
手を握って、広げる。
数回繰り返してベッドから立ち上がる。
「少しでも異変を感じましたら人をお呼びくださいませ。」
その言葉に頷いて応えれば、医師は複雑そうな顔をした。
君主の怪我、失われるかもしれない1つの命。
それを今天秤にかけて重みを見ているのか。あるいは俺の命と自分の人生を比べているのかもな。
始めはゆっくりと歩みを進める。
地面の心地を確かめるように一歩一歩と確実に。
sm「.............」
ちょっとした好奇心もあって少しだけ速度を上げる。
するとじわっと濡れた感覚が腹部に伝わってきて思わず自分の腹に向かって舌打ちをした。
たったこれだけで血が出んのか
これじゃ全然歩けねぇじゃんか...
やっぱり人間は脆い。
物理的にも、精神的にも。
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そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 1から読んだら色々ボロが出てくるから読まなくて大丈夫です！笑笑ほんとに全ての内容を忘れたあたりで読み返すことをおすすめします！ (2022年7月8日 10時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - そらと。さん» 続編読みました！いいですね、良いですね！少し時間がなく一から読み直されないのが悔やまれますが、いつか読み直したいと思ってます！ (2022年7月6日 13時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 読み過ぎですｗｗｗｗ何回読んでも変わらないですからｗ続編楽しみにしててくださいｗ (2022年7月2日 13時) (レス) id: 212d629fae (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - そらと。さん» 50ページの最後が凄く気になりすぎてとりあえず200話だけ2回読みました。ありがとうございます。もう一度1から読んできます！！ (2022年7月2日 12時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 読んでいただいてありがとうございます！そしてお疲れ様です！これからも更新頑張りますのでまた見に来てください！！ (2022年6月24日 8時) (レス) @page45 id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2022年4月29日 23時
