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思えばあの時目を覚ましたのは奇跡だったかもしれない。
半分寝ぼけた頭の中、思い出したかのように襲われた頭痛に顔を顰める。
身に覚えのない匂いに意識の手が引かれ
数度瞬きを繰り返すとクリアになる視界がハッキリと捉えた。
「あ、起きたんだぁ」
月明かりが目の前の存在に光を当てる。
癖のある赤みのかかったブラウンの髪が揺れて、
熱の籠った海のような青い目が私を見下ろした。
視界には捉えてるものの、
その実、彼の意識はこちらには無いようにも見て取れる。
大きな手が頬を撫でた時、初めて私の脳は正常な動きをしてみせた。
いや、大分急発進した気がする。
「起きたらもっと可愛いね...」
好物を前にした子供のような無邪気な瞳がゆっくりと近づいてくる。
『....っ！！！』
残り数センチというところ
自分と相手の顔の間に手を差し込んで事なきを得る。
......嘘。この人今私にキスしようとした。
私はベッドに寝てるし、目の前の男は私に馬乗りになっている。
あらかじめ言うがアルコールを摂取した記憶など無い
てか今のこの財政難でアルコールなど到底口にできない。
どうせ飲むなら紅茶がいい。
いいや、今はそんなことを考えている場合ではない。
深く息を吸って目の前の男に問いかける。
『だ、誰ですか』
実に簡潔な質問に男は瞳を細める。
「ん〜？僕が誰だって？そんなのどうでもよくない？」
どうでもよかったら聞いていないのだが。
「どうせやることやったらどうでもよくなるよ？
ねえ、もういいでしょ？僕お預けされるのも好きだけど、寂しいのは嫌いだんだ〜」
発言の意味が理解できない。いや、したくない。
スゥッと身体を撫でる手の感触が生々しく残る
間延びした口調の中に何とも言えない圧力を感じ、少し体が竦んだ
『.........ならまだ.........がマシかもしれない』
「え？なあに？」
兎も角逃げよう。
男の腕に触れ、血流の流れに沿って力を込める。
途端ぐらりと大きく男の体が前方に傾いた。
魔法を使わない人間は魔力の乱れで意識を失う。
少し、だけ乱れただけなので30分程度で目を覚ますだろう。
あとは一目散にドアへ向かう。
カギは掛けられていなく、扉を開くと豪華絢爛な広い部屋に続いた。
貴族か何かか、と瞬時に判断してさらに次の扉へ走って扉を開ける。
捕まったら処刑だろう。
嫌な想像が脳裏を過ぎっていった。
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そらと。(プロフ) - 天音さん» あら、それは運命ですかね、、、また見つけてくれてありがとうございます。頑張りますね！ (2022年3月4日 7時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - まだログインもしてなかったし、お気に入り登録とか知らなかった。そんな昔にみたお話...、のはずなのにまた見つけられた...？！このお話はおもいでの作品のうちの1つです。無理せず頑張ってくださいね！！！ (2022年3月3日 0時) (レス) @page9 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» フォローありがとうございます！！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
狛犬 - お手数かけてすみません！アカウント名は「狛犬 @nTdKEqUijhOcqHZ」です誤字ってたらすみません！ (2021年11月16日 18時) (レス) id: 0666cd5f1f (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» うーん、、、一応私のプロフにもHPの欄にURL載せてるのでそこから飛べなかったら私がお迎えに行きますのでユーザー名など教えて頂けると嬉しいです！ (2021年11月12日 17時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2021年9月20日 3時
