彼氏にキスしてもらうための10の実験

実験10「素直になる」 ページ12

【実験】


「素直になる」









【実践】


寝息をすぅすぅ立ててるジェルを見る。


今度のすとぷりの遠井さんシリーズの台本を考えてた様で、机に突っ伏し、右手にはペン、そして眼鏡姿だ。


…眼鏡珍しいな。


ジェルを横目にぽそりと一言。


『寂しいんだよ？以外と。』


寝てるからこそ言える本音。


もちろん返事はない。


『女性は心配性だからね。なんか行動してくれないと』


まぁ、それ言っても無駄だけどねw


『キスして欲しいなぁ…』


ジェルを見て一つため息をつき、離れようとした。


すると、ガシッと腕を掴まれる。


「へぇ…？寂しい？」


『あ、やべ』


振り返ると、ジェルの綺麗な緑色の目が開いている。


「ええこと聞いたなぁ」


『……狸寝入りしてたの？』


「俺寝てたやん。それで？」


『さ、寂しいけど…』


「ん？で結局何して欲しいんや？」


『き、聞いてたでしょ！？』


「寝てて聞こえなかったわー。」


とぼけるジェル。



『き、キスして欲しいです……』


「……俺、色々と我慢できひんかもしれへん…だからずっとキスするの我慢しとったけど……」


『…ジェル、だったらいいよ？』


「……っ〜〜」


顔が熱くなる。


そしてジェルの顔もめっちゃ赤くなる。


「自己責任、やからな。」


腕をグイッと引っ張られ唇に柔らかいものが触れる。


一先ず目を閉じる。


すると後ろから手が伸びて私を支えてくれる。


甘く、とろけそう。



しかし、幸せな瞬間は束の間、息が続かない


『んぐっ……』


どんどんとジェルの胸を叩くが、びくともしない。


(チュッ)


やっと離れ、リップ音が鳴る。


なんかリップ音すらえろく感じるんですけど。


「………おいし。」








そんな事を言うジェルの事を独り占めしたくて









とっても愛しい









『……やっぱずるい！』









Fin

epilogue→←実験9「映画を一緒に見る」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す