Episode106 ページ7
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「今回はちょっと良くない未来も見えるらしくて。なんか戦うかも？みたいな。それでも参加するか？って確認された」
これまでも遠征は執り行われてきたし、そこで大きなトラブルが……それこそ死人が出るような、そういうことが起こったという事例はない。オレは知らないけれどきっと迅さんが事前の予知で特に不安な要素がないと判断したものばかりだったのだろう。しかし、今回の遠征は、迅さんが良くない影を予知した。もちろん何かが起こる可能性に過ぎないのだろうが、普段より用心すべき遠征なのだろう。
『私、遠征行くよ』
けれど、亜桜はさっき、遠征に行くとオレに告げた。ということは、そのリスクを承知の上で、それでも参加するのだろう。妙に心配になったが、きっとオレが心配性なだけなのだろうと……この時は思っていた。
「でも、やっとだよやっと」
亜桜がボーダーに入隊したのは中学一年生の秋、それからもう二年が経っていた。ようやく遠征に行くという目標がそこまできたのだ。ようやく掴んだ目標だから、危険があったとしても、行くことを決意したのだろう。そう感じたから、オレも次第に心配の気持ちから、応援の気持ちに変わっていったように思う。遠征という存在のイレギュラーさを実感しながらも、ずっと見てきた友人が目標を達成する目前まで来ているという事実を、純粋に嬉しいことだと感じた。
「絶対さ、あいつ連れて帰ってくるから」
遠征に行くと言っても、亜桜が探しているというその親友がいる国に行けるかどうかはわからない。会える確率なんて、何なら生きている確率も合わせたら、現実的ではないかもしれない。だけどそのためにこいつは頑張ってきたから。その努力が実を結んだという事実だけは、揺るがないものだ。
「その時は、あいつと友達になってやってよ」
にこ、と亜桜がオレを見上げて笑った。亜桜が、オレと出会う前に出会って別れた、心から信頼する人。会ってみたいし、そいつもボーダーに入ったりして、オレらと友達になれたりして。もっと、亜桜が今より楽しそうな顔をするかもしれない。『遠征に行って親友を助ける』。そう言っていた亜桜の夢が、叶うといいなと思った。あいつが無事に親友と再会して、笑顔で帰ってきたらいい……と。『米屋！』と、嬉しそうな顔で帰還の報告をしてくれたらいいな、と。
「あたりまえな」
オレもニカッと笑った。
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亜桜(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます(；▽；)更新頑張ります！ (2019年1月21日 19時) (
レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 続きが気になりすぎる！！！面白すぎてヤバイです！！更新頑張ってください！応援してます！！！！ (2019年1月20日 21時) (レス) id: 076cc2dab4 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - twice MOMO，loveさん» 長編にも関わらず全て読んでいただけて本当に嬉しいです(；ω；) できる限り定期的に更新していきたいと思います！ (2018年12月11日 11時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
twice MOMO,love - とても面白いですっ！ いっきにすべてのお話し読みおわってしまいましたッ！ これからも頑張ってください！( v^-゜)♪更新お待ちしています！ 長文ひつれいしました (2018年12月10日 17時) (レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます！！( ；∀；)がんばります！！ (2018年11月25日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2018年10月8日 12時
