Episode149 ページ50
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「そのトリガーを寄越せ」
私は黙って敵を睨んだ。そうすると敵の一人が私の方に歩いてきて、ガッと私の肩を掴む。
「こいつらがどうなってもいいのか」
「欲しいなら取れば？」
ドスッ
私が言うと、その人型は私の腹を殴った。勢いで地面に座り込んだが、痛みはそんなに無い。ああ、SEのせいか。あれ、そういえばまた血の嗅いを感じる。きっと今暴行を受けた末に倒れているＡ級ニ位チームの攻撃手の彼の血なのだろうが。
「……」
無表情で、敵を見つめた。
グサッ、バシッ、ガツッ
殴られた。蹴られた。刺された。でも私は“奈那”を握りしめて離さないから、敵はお目当てのトリガーを私から奪えなくて腹を立てる。
「……このッ！」
敵が私の前髪を掴んで、自分の顔を私の顔に近づけた。顔は怒りで染まっている。ああ、このまま心臓を貫かれて死ぬのかとさえ思った、その時。
スパッ
『トリオン体の損傷を確認、換装解除』
敵の首が吹っ飛んで、生身になった敵が背中から倒れ込んだ。
「……迅、さん」
いつもの優しい顔は、そこにはなかった。
―――迅side―――
急に、未来が見えなくなった。だから焦ってこちらに来た。……おれには、Aちゃんが死ぬ未来が見えていた。でもそうならない道もあったから、おれは未来を見ながらずっと彼女を死なせないように行動していた。しかし突然、『SEが効かなくなった』。不安からおれは瞬間に走った。
「……迅、さん」
来てみれば、これだった。おれは咄嗟に男の首を飛ばした。不思議と、着いたときにはSEが元に戻っていた。
「ーー遅くなってごめんな」
おれはしゃがんで、地面に座っている彼女と目線を合わせた。もっと謝りたいことがあったはずだ。危険な目に遭わせてごめん、辛いことさせてごめん、傷をたくさん作ってごめん、分かっていたのに止めなくてごめん、……この場で、無事でよかったって抱きしめてやれなくてごめん。
ふらっ
ポスッ
「……もう大丈夫だから」
彼女の体は相当堪えていたらしい。彼女は気を失っておれの胸に倒れ込んだ。おれはそっと頭を撫でる。
「おい、」
そしておれはＡ級二位部隊の隊員を捕まえている敵の両手首を切り落した。Aちゃんを床に寝かせて、立ち上がる。
「そいつ連れて太刀川さんとこまで走れ」
そいつ、とは地面に倒れている彼のことだ。開放された隊員はその怪我人を抱えて走り出した。
「さて、雑魚掃除といきますか」
おれは残っている敵に向かって風刃を向けた。
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亜桜(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます(；▽；)更新頑張ります！ (2019年1月21日 19時) (
レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 続きが気になりすぎる！！！面白すぎてヤバイです！！更新頑張ってください！応援してます！！！！ (2019年1月20日 21時) (レス) id: 076cc2dab4 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - twice MOMO，loveさん» 長編にも関わらず全て読んでいただけて本当に嬉しいです(；ω；) できる限り定期的に更新していきたいと思います！ (2018年12月11日 11時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
twice MOMO,love - とても面白いですっ！ いっきにすべてのお話し読みおわってしまいましたッ！ これからも頑張ってください！( v^-゜)♪更新お待ちしています！ 長文ひつれいしました (2018年12月10日 17時) (レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます！！( ；∀；)がんばります！！ (2018年11月25日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2018年10月8日 12時
