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Episode144 ページ45

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生身に戻った。私だけでなく、目の前の元親友も。今の技術ではベイルアウトがないため、私はその場に留まり、オペレーター含む仲間たちとの連絡手段が絶たれる。どうやら奈那のトリガーにもベイルアウト機能は無いようで、彼女もまたそこに居た。もう十分殺し合った。引き分けでいいではないか。これ以上何もしなくていいではないか。もう、もう……


「何相打ち?つまんねーことすんなよ」


組織の茶髪の男がやって来て、不満そうな顔をした。ずっと後ろから見ていたらしい。ぞろぞろと他の連中も姿を現した。


「それで終われるとでも思ったのか、女」


真面目そうな黒髪が現れて、私に向かって言った。私は静かにその男を睨む。


「トリガー無しとかつまんねー、殴り合いでもさせる?」
「仕方ない。二人ともここで殺す」


連中が嫌な笑みを浮かべた。何だ、こいつら何を言っている?生身の私たちに向かって攻撃するつもりなのか?こちらの世界ではこれが普通なのか?換装が解けても攻撃をやめず、生身の体にブレードを突き刺そうとする、それが普通なのか?トリガーとは、本当の死をもたらすものなのか。トリオン切れでもなくベイルアウトでもなく、死。トリオンが切れたら終わるゲームではなくて、実際に、死ぬのだ。トリオン体という保険がなくなって、私は簡単に混乱していった。


「冗談じゃないわ、ここで終わりなんて」
 

口を開いたのは奈那だった。


「予備のトリガーあるんでしょ、寄越しなさいよ」
「けっ、せいぜいなぶり殺せよ」


茶髪の男はそう言い放って、奈那にトリガーを渡した。そのトリガーはトリオン体に換装はせず武器だけのようで、奈那はそれを再び私に向ける。……嘘、だ。生身の状態で、私はこいつと戦うのか?こんなにも奈那と戦うのは嫌だと訴えているのに、元親友にはこの想いは伝わっていないというのか?


シュッ


刹那、元親友が振った刃が顔の真横を通った。それは頬に傷を作る。血が流れても、私はあまり痛みを感じなかった。ああ、こんなところでサイドエフェクトが役立つなんて。


「くっ、」


私はどうしようもなくなって、走った。当然今の私の足ではすぐあいつに追いつかれる。背後に刀の気配を感じた。元々生身の運動神経は大して良くないし、この状況では私が圧倒的に不利だった。ほぼ負けは確定していた。


グサッ


「な、!」


奈那が剣を振ったまさにその瞬間、私はスっとそれを避けて木の影に隠れた。私が居なくなったことで、振るわれた剣は、私がいた場所にあった木に突き刺さる。

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亜桜(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます(;▽;)更新頑張ります! (2019年1月21日 19時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 続きが気になりすぎる!!!面白すぎてヤバイです!!更新頑張ってください!応援してます!!!! (2019年1月20日 21時) (レス) id: 076cc2dab4 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - twice MOMO,loveさん» 長編にも関わらず全て読んでいただけて本当に嬉しいです(;ω;) できる限り定期的に更新していきたいと思います! (2018年12月11日 11時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
twice MOMO,love - とても面白いですっ! いっきにすべてのお話し読みおわってしまいましたッ! これからも頑張ってください!( v^-゜)♪更新お待ちしています! 長文ひつれいしました (2018年12月10日 17時) (レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます!!( ;∀;)がんばります!! (2018年11月25日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜桜 | 作成日時:2018年10月8日 12時

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