Episode130 ページ31
忍田side
船の中はそう広くない。部屋だって、大部屋が一つと各隊の部屋があるだけだ。今回の遠征ではＡ級一位部隊と迅の五人で一部屋、二位部隊と小南、東で一部屋、三位部隊と私で一部屋という割り振りになっていて、そこで休養もとることになっている。
「あれ、皆さん揃ってたんですか」
「Aお前最後だぞ……」
「あはは、すみません」
そして現在、大部屋。各隊の隊長とソロ隊員と、そして亜桜が集まっていた。最後に登場した亜桜に慶が苦笑いして、亜桜は謝りながら席に座った。
「ちょっと亜桜、遅刻とかいい度胸じゃない」
「遅刻してないでしょみんなの集合が私より早かっただけ」
小南と亜桜はどこで知り合ったのか、随分と親しくなっている様子だった。しかし年が同じと言えど、小南は旧ボーダー時代からの古株で、遠征経験もある。そういった意味では、亜桜よりも小南のほうが先輩と言えるだろう。
「よし、じゃあ本題に入るぞ」
そして私が声をかけて、この場にいる全員がこちらに視線を向ける。
「今回の遠征だが、事前に言っていたように何らかの形で敵と交戦する可能性が高い。交渉で済む確率は低いと思ってくれ」
ぴし、とその場に緊張が走ったのを感じた。私は「よってその場合のプランを報告したい」と続け、そのプランについての説明をする人物の方へ視線を向けた。
「迅」
呼ぶと彼は「どーも〜〜」とへらへら笑って席から立ち上がった。彼はまだ高校二年生だというのに、未来が見えるというだけでたくさんのことを背負わされ、頼られ。ボーダーという組織の暗点が見え隠れした気がした。
「この遠征のことなんだけど、こっちが何かしらのダメージを受けて帰る可能性が高いってことはもう訊いてますよね」
彼は大きくわけて三つの未来を語る。『直接の戦闘以外で傷を負う隊員が発生してしまう未来』と、『近界民と戦闘になって、トリガーを盗まれたり怪我人が出たり、最悪死人が出るような、物理的ダメージを受ける未来』。そして『戦争も無く交渉だけで帰還できる未来』。一つ目の未来は、自分たちが戦闘しなくても、例えば降り立った国がひどい紛争地帯で、その光景がＰＴＳＤを招くなど、精神面での傷のことをさしているのだろう。あるいは傷ではなく、こちらの機密や技術を盗まれるなどの場合だ。
「忍田さんが言った通り無傷の未来は低い確率だから、それ以外の二つの可能性を考慮してプランを立てる必要がある」
迅はいつもの掴めない表情ではなく、真剣な顔付きで話を進めた。
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亜桜(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます(；▽；)更新頑張ります！ (2019年1月21日 19時) (
レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 続きが気になりすぎる！！！面白すぎてヤバイです！！更新頑張ってください！応援してます！！！！ (2019年1月20日 21時) (レス) id: 076cc2dab4 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - twice MOMO，loveさん» 長編にも関わらず全て読んでいただけて本当に嬉しいです(；ω；) できる限り定期的に更新していきたいと思います！ (2018年12月11日 11時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
twice MOMO,love - とても面白いですっ！ いっきにすべてのお話し読みおわってしまいましたッ！ これからも頑張ってください！( v^-゜)♪更新お待ちしています！ 長文ひつれいしました (2018年12月10日 17時) (レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます！！( ；∀；)がんばります！！ (2018年11月25日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2018年10月8日 12時
