Episode092 ページ43
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初めて会ったのは、入隊試験の日だった。
正確に言うと俺が一方的に見かけただけで、向こうは絶対に覚えてないしそのこと自体知らないだろう。だから会ったとは言わないのかもしれない。けれど俺は、確かにその日の帰り道で、その人を見たのだ。
「Aー、そっち行ったぞー」
「りょうかーい」
それは基地内ではなくて、基地から市街地に行くまでの間にある警戒区域で。防衛任務に当たっていたその人を見かけた。柔からそうな茶色い髪、無気力そうな緑の目。強そうだとは思わなかった。声もなんだかやる気がなさそうだし。まあでも本物のボーダー隊員の実践を見れるならタメになるかな、と思って俺は物陰に隠れた。
「よいしょっ！」
瞬間俺は目を見開いた。その人は自分の体の何倍も大きいそのネイバーの頭上にタンっと跳びあがり、そしてそこから光の刃を振り下ろしてそいつを秒殺した。トン、と着地すると同時にネイバーは崩れ落ちる。
「相変わらず援護の隙もねーな」
「太刀川さんよりマシでしょ」
強かった。その人は。思っていたより何倍も。見た目に似合わない豪快な戦闘スタイル、それを見たら無気力だなんて誰も思わないだろう。この人は多分戦うのが大好きだ。この人のように、強くなりたい。あの姿を見て、俺はただそう思った。今考えたら最初に憧れたボーダー隊員はこの人かもしれない。その姿を見たことで、俺はより早く実戦慣れするために仮入隊を申し込むことを決意したし、防衛隊員としての指針を見つけた気がした。
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少し時が流れ、ランク戦ブース。
これから使うことになるだろうと、俺は足を運んだ。見るだけで、実際にランク戦をするつもりはなかった。しかし、そんな俺の気分を変える出来事が起こる。
「どーしても弧月でトドメ刺しちゃう」
声がして、俺はその方向を見つめた。あの人だ。気が付いたら俺はそちらに歩いていて、その人に話しかけていた。また会えた、はやく、ボーダーとしてこの人に追い付きたい。その気持ちしかなかった。
「先輩、俺とランク戦してくれませんか？」
負けても良かった。ポイントが貰えなくても、顔と名前を覚えてもらえたら、近くであの人の戦いっぷりを見られたら……何でも良かった。
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「京介なんでランク戦誘ってきたの？」
あの時の人は、今こうして俺の目の前にいる。こうして俺の目を見て、俺に問いかけてくる。
「あー……強そうだったからっす」
「はぁ？」
俺は適当に答えてその場をしのいだ。
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亜桜(プロフ) - 深未さん» つけてないですよ〜！ (2019年12月18日 8時) (
レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
深未 - 夢主ちゃんバックワームつけてないの？笑 (2019年12月18日 0時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 霧月さん» そんなに嬉しいお言葉を頂けてうれしいです(T^T)続編更新致しましたのでそちらもよろしくお願いします！ (2018年10月8日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - とても面白いです!!夢主ちゃんの性格も大好きです!!更新楽しみにしてます(≧∇≦*)大変だと思いますが、頑張ってください！ (2018年10月8日 0時) (レス) id: 77a041f6c8 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - R.Oさん» ありがとうございます(T ^ T)がんばります！！ (2018年8月22日 16時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2018年6月15日 17時
