Episode035 ページ36
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「よーし、じゃあ隊服登録してみたからトリガー起動してみて〜〜」
「「「トリガー・オン」」」
私達は無事に太刀川隊として登録を完了し、いよいよ隊服と言うものが出来たらしい。柚宇さんに指示され、私と太刀川、出水はトリガーを起動した。私たちは黒い隊服に包まれる。私の隊服のデザインは、コートをショート丈のワンピースのようにアレンジして、コートに隠れるが下には黒のショートパンツを合わせている。脚はニーハイと、シンプルな黒のショートブーツ。
「わーすご、真っ黒」
「まずは来シーズンのランク戦でA級挑戦権を得る。そんでA級昇格だ。覚悟は出来てるな?」
「はい!」
いよいよ結成された自分の所属する隊。やっとここまで来たと少し胸を踊らせた。
――――太刀川side――――
「課題が終わるまで帰すなと親御さんに言われてるんでな」
「俺以外にも課題やってない奴いますよ、米屋とか」
「中学生と比べてどうする」
太刀川隊の仮眠室。俺は学校の課題が終わらなくて、そのまま夜を迎えていた。毎度課題を終らせない上に考査の出来も最悪な俺を見て、親がしびれを切らしたのだろう。師匠の忍田さんの監視のもとに閉じ込められた。小さな反論にも正論が跳ね返されてきて、俺は言葉を詰まらせた。こんなことをやるくらいなら、一本でも個人戦をやりたいのだが……こんな思考だから、今こうなってしまったのだろう。
「そういえば、正式に太刀川隊として登録したらしいな」
その問に対して、俺は課題のノートを見つめながら「そうっすね」と答える。課題をしろと言う割には、話しかけてくるタイプの人だ。
「国近はともかく、なぜあの二人をスカウトしたんだ?」
「え?」
「お前くらいの実力があれば、同期や先輩のB級隊員を誘っても誰も断らないだろう」
何でわざわざ訓練生の中学生を誘ったんだ、と忍田さんは加えた。俺はすっかりペンを持つ手を止めてしまって、その答えを考えた。そういえばそこを深く考えたことはなかった。
「うーん……ピンときたから、ですかね」
うまく言葉が出てこなくて、抽象的な表現になってしまう。
「Aのときも出水のときも、見た時になんか”こいつだ”って思ったんすよ」
年もキャリアも関係ない。俺はただ、あいつらの持つ確かな実力、センス、秘めた未来への可能性、全部に惹かれただけだ。他の誰にも取られたくない、そう思った。
「お前らしいな」
忍田さんはフッと笑った。
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亜桜(プロフ) - 百瀬さん» ご指摘ありがとうございます!固定夢主の名前を変換しそこねていたようで……大変失礼しました;;気付いたところから修正していきます。 (2023年1月5日 0時) (レス) id: 8ae19fe800 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 - 途中途中で名前が"紗雪"になってますよ〜! (2023年1月3日 12時) (レス) @page47 id: 6aa4d6dc2c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 柊那さん» ありがとうございます(´;ω;`)修正多めのマイペース更新で申し訳ないですが頑張ります!! (2018年5月18日 13時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - 面白かったです!続き楽しみてしてます。更新頑張ってください( -`ω-)b (2018年5月18日 2時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 藤見日和さん» わざわざ有り難うございます!!わがままな作者で申し訳ないです(汗)必ず戻ってきます…! (2016年11月24日 20時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜桜 | 作成日時:2015年8月5日 16時