Episode018 ページ19
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そうして太刀川さんに勧められて、ボーダー基地内の医務室へ来た。ここで、サイドエフェクトのことを調べてくれるらしい。SEとは他人よりも耳がよかったり記憶力が良かったりするもので、火を吹いたり空を飛んだりするものではないらしい。
「心当たりがあることは?」
「覚えのないものが突然視えたり、聴こえたりするんです」
まず、質疑応答から始まった。どんな些細なことでもいいから教えてほしい、と言われ、私は自分の頭を整理する。そして話した。大規模侵攻の時、知らない人がネイバーに襲われてるところが視えて、その人の声が聴こえて……そして血の嗅いまで感じたことを。
「へえ?それは興味深い」
質疑応答が終わると、精密検査に入った。その光景は、普段の病院のとあまり変わらない気がした。
「お待たせしました」
そして検査が終わってしばらくすると、医務室の人が、私の正面のイスに座った。その人は何枚か資料を持って話し始める。
「君のサイドエフェクトは、簡単に言うと”五感のバランスが特殊”」
五感!?と、私は驚いて声を上げた。てっきりサイドエフェクトは目か耳のどちらかだと思っていたから、まさか五感全てがそうだったなんて想定外だったからだ。その人の話によると、私は視覚、聴覚、嗅覚が人より優れている代わりに、味覚、触覚が人より鈍いらしい。言われてみると、確かに心当たりはあった。
「けれど今は制御もできないし、未完成なサイドエフェクトです。それに視聴覚はリミッターが外れると少し怖いことになります」
私は訊き入った。自分にそんな、他の人と違う特別なものがあるなんて思わなかった。だから興味が湧く。今まで手しにたことがなかった、特別という感覚。
「怖いこと……?」
「色んな物が視えすぎて、聴こえすぎて、頭がパンクする可能性がある。得る情報が大きすぎるんです」
訊いて、次に覚えたのは恐怖だった。沢山のものが一気に視えて、聴こえて、蝕まれていって、私は何か一つを見ることも、誰か一人の声だけを訊くこともできなくなる……?
「でも大丈夫。サイドエフェクトは使っているうちに体に馴染んで来ます」
「制御できるんですか?」
尋ねると、コクリとその人は頷いた。訓練で戦闘に慣らしていくことによって、徐々に自分の力でサイドエフェクトを操れるようになる、と。
「ただ、使いすぎには注意してください。リミッターが外れてしまうかもしれない」
なるほど……使い過ぎは厳禁、ね。
「ありがとうございました」
私は一礼して、医務室をあとにした。
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亜桜(プロフ) - 百瀬さん» ご指摘ありがとうございます!固定夢主の名前を変換しそこねていたようで……大変失礼しました;;気付いたところから修正していきます。 (2023年1月5日 0時) (レス) id: 8ae19fe800 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 - 途中途中で名前が"紗雪"になってますよ〜! (2023年1月3日 12時) (レス) @page47 id: 6aa4d6dc2c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 柊那さん» ありがとうございます(´;ω;`)修正多めのマイペース更新で申し訳ないですが頑張ります!! (2018年5月18日 13時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - 面白かったです!続き楽しみてしてます。更新頑張ってください( -`ω-)b (2018年5月18日 2時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 藤見日和さん» わざわざ有り難うございます!!わがままな作者で申し訳ないです(汗)必ず戻ってきます…! (2016年11月24日 20時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜桜 | 作成日時:2015年8月5日 16時