Episode011 ページ12
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そうして連れてこられたのは、駅前の喫茶店。私は太刀川さんと向かい合う形で座り、パンケーキとコーヒーを注文して、店員がテーブルに持ってくるのを待っていた。そういえばここに来るまでのアレ、相合傘だった……？
「お前年いくつ？」
「中一です」
にこっと、ちゃんと笑顔と声を作って返事をした。自分から訊いてきたくせに太刀川さんは「ふーん」とそっけない返事をして、私は「太刀川さんは？」と訊いてみる。
「高一。お前より三つ先輩だ」
すると太刀川さんは、さっきより少し楽しげな表情をして答える。そして、「あと、」と前置きして、更にセリフを続けた。
「お前その変な喋り方やめろ」
「えっ」
「昨日はそんな態度じゃなかっただろ。作らなくていいからそのまま喋れ」
どうやら昨日の私が失礼な態度を取った(イベントを優先して帰宅した)ため、今日の私が猫を被っていることを見破られたようだ。私は「すみません……」ととりあえず謝って、そこからは普通に会話してみることにした。
そしてそこから更に、数分後。
「……亜桜、お前さ」
世間話も終わり、短い沈黙の後。太刀川さんが口を開いたので、私は顔を上げて、太刀川さんを見つめる。
「んー……あー……、自分が活躍できそうな場所があるって言われたら……受け入れるか？」
「は、はあ……？」
「あー、やっぱ、こういうの向いてないから単刀直入に言うぞ」
質問の意味がよく分からず、私は曖昧な返事をした。私の頭に「？」が出てるのが分かったらしい太刀川さんは、はあとため息をついて、自分の髪をわしゃわしゃとかいた。
「お前、ボーダーとか興味ないか？」
「！」
「いや、普通の女子中学生がボーダーとか言われても、あれだと思うが」
しかし思わぬ一言が太刀川さんの口から出たものだから、私は硬直して目をぱちぱちさせた。ボーダーに入りたくても親に反対されてそれが叶わない私の気持ちなんて知らない太刀川さんは、続けてごにょごにょと何か言い始めている。
「多分お前向いてる。その目も気になるし」
「目？」
「なんかみえてるんだろ」
あ……。
「どうだ？もし興味があるなら、俺も現役ボーダー隊員として教えてやれることもあるだろうし」
「実は……」
この人なら、なんとかしてくれるかもしれない。この人なら、私をボーダーに入隊させてくれるかもしれない。そう、何故か直感で思った私は、ボーダーに入りたいことも、親に反対されていることも全部、太刀川さんに話してみることにした。
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亜桜(プロフ) - 百瀬さん» ご指摘ありがとうございます！固定夢主の名前を変換しそこねていたようで……大変失礼しました;;気付いたところから修正していきます。 (2023年1月5日 0時) (
レス) id: 8ae19fe800 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 - 途中途中で名前が"紗雪"になってますよ〜！ (2023年1月3日 12時) (レス) @page47 id: 6aa4d6dc2c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 柊那さん» ありがとうございます(´;ω;`)修正多めのマイペース更新で申し訳ないですが頑張ります！！ (2018年5月18日 13時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - 面白かったです！続き楽しみてしてます。更新頑張ってください( -`ω-)b (2018年5月18日 2時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 藤見日和さん» わざわざ有り難うございます！！わがままな作者で申し訳ないです（汗）必ず戻ってきます…！ (2016年11月24日 20時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2015年8月5日 16時
