【WT】ペーパー・ムーン【メモ帳】 (ページ6)

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nk(超つかれた…… 荷物多いなら郵送してくんねーかな)

作り笑顔も楽じゃ無い。頬が疲れすぎて、口の中が痛いくらいだ。
そうしているうちにペットボトルはついにカラになり、捨てるところを探すの面倒だなと思いながらキャップを閉めていたところで、会議室のドアが開いた。

nk「あ、……」

『……お世話になっております』

「すいません運んでもらっちゃって」

担当さんが連れて戻って来たのは、サンプル商品が山積みになった段ボールを抱えたAだった。

nk「え、てか多……」

『欲しいの選んでください。まだ集荷間に合うので、今日の便で郵送します。……あ、よければ書類の束とか、重いもの同梱しますよ』

nk「え、めっちゃ有難い、お願いしていいですか」

『ワイテさんのオフィスでいいですか？それとも自宅……』

nk「オフィスの方で」

『あ、ペットボトルカラですか？こちらで捨てますよ』

nk「え？！ありがとうございます」

担当者より気が利いて、担当者よりテキパキと卒無くこなすAに、Nakamuは相変わらずだなぁと思う。
ただ、徹底したビジネスライクな態度が、少しだけ悲しかった。

『じゃあ私はこれで』

「あ、お疲れさまです、ありがとうございました」

nk「……あ」

ありがとうもお疲れ様も言う前に、Aはさっさと会議室を出て行く。そのあとを追うことなんでできるはずもなく、Nakamuは立ち尽くす。

「Nakamuさんも今日は本当にありがとうございました、荷物はたぶん明日届くと思いますので」

そこからはどうでも良くなって、あまり覚えていない。