虎の威を削ぐ人 ページ11
.
「なんなんですか、小鍛冶先輩って」
木虎はそう言い不機嫌そうな顔をした。今隊室にいるのは木虎の他には綾辻と時枝だけしかおらず、目に通してた書類から顔を上げると2人とも顔を合わせて不思議そうな顔をした。2人はてっきり木虎は彼女に対して懐いてるとばかり思っていたが、どうやら違うようだ。
綾辻はうーん、少し悩んだ後「とても楽しい子だよ」と言い、時枝は「まあ人懐っこい奴かな」と返すが木虎はどうやらその回答に納得していないようなのは、火を見るより明らかだ。時枝は烏丸絡みかと大体を察しながらも、木虎に何が知りたいのかと聞けば木虎は口を結んだ。
「烏丸先輩もそうですし、なんであんなに彼女の周りに人が集まるのか、不思議なんです」
そう言い気恥しそうに目を伏せた木虎に綾辻は笑う。時枝もなるほどと思いながらも笑う綾辻に「笑わないでください！」と立ち上がる木虎をなだめた。
「小鍛冶は構いたくなるタイプの子なんだよ。木虎だって三雲くんのこと構うでしょ」
「三雲くんとはだいぶ違うと思いますけど」
「似たようなものだよ。人を引きつけるのも才能だ」
「そうだねぇ。学校は違ってもAちゃんの話は結構上がったりするんだよね」
「やっぱり生徒会でです？」
「うん」
綾辻はそう言い優しく笑った。
「そういう木虎だって、割と小鍛冶のこと気にするじゃん」
「？！そんなわけ、」
「あるでしょ。小鍛冶に自分から話しかけてるくせに」
「藍ちゃんかわい〜！」
「あ、綾辻先輩からかわないでください！」
木虎は顔を赤くして反論する。
時枝は烏丸絡みになると彼女のことが気に食わないが、それ以外では彼女のこと慕っているのを知っている。木虎はモヤモヤして彼女に対しての態度は他の人と比べたら冷めてるが、言い過ぎたと気にしたりしてるのも知っている。これは時枝だけでなく、それ以外の人間誰もが知っていたりすることだが、木虎はそれを知らない。
「ただよく分からない人だなって思っただけですから！！」
そう叫ぶ木虎に、時枝と綾辻はハイハイと笑った。
.
お気に入り登録700overありがとうございます。700人のワールドトリガーを好きな人と交流したくなりTwitterはじめました @4O_4O_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1221人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ワールドトリガー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：40 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月26日 0時
